NO.6小説
ネズ紫★酔いどれ(1)
○月×日。
今日もいつも通りに出勤して、いつも通りに舞台を終えた。観客の出入りもいつもと同様。上連はそこそこ儲かってる金のあるやつ。そして誰かから噂で聞いたか、たまたま通りかかった初見の奴らが数人。どんなもんだと品定めをしてやがる。
・・・ま、俺の演技には誰もが虜になるんだけどな。自慢じゃないが、俺はここの花形スターだ。こんな何もないとこだけど、ちゃんと給料ももらえるし、ファンからの差し入れだって時々もらえる。ただ、食い物だけは何入ってるか分かったもんじゃないから貰わないけど。
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