NO.6小説
紫ネズ★クリスマスプレゼント(1)隣のベッドを見ると、既にそこに紫苑の姿は無かった。
ネズミは重い瞼を擦りながら、大広間へと階段を登っていった。
と、そこに見慣れた姿を見つけた。
「・・・紫苑?」
「あ、ネズミ!」
そう言うや否や、紫苑は俺をツリーの前まで引っ張っていく。
「見てよこれ!みんな僕へのプレゼントだ!」
そこには紫苑宛のプレゼントが山のように積んであった。
「良かったな。」
俺は苦笑いしながら頭を撫でる。
「うん、それからね・・・。」
気づくと視界が真っ暗になった。それから、唇に触れる柔らかな感触。
「・・・んっ!?//」
慌てて紫苑から体を離した。
「僕からのクリスマスプレゼントだよ。まさか、君からクリスマスプレゼントを貰えるとは思ってなかったから。」
その手には、俺があげたクリスマスプレゼント(医学の本。知り合いに探させた。しかも意外と高かった。これで俺の財産もかなり減っちまった。)が握られていた。
「ネズミ、ありがとう。」
「ああ。」
真っ赤になった顔を俯かせて、俺は答える。
と、そこにまた紫苑が近付いてきたものだから、俺は思わず身をひいた。