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「#エロ」のBL小説を読む
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crooked frame/1

オレは常にデフォルトで那月に追いかけられている。


今日だって、手作りの菓子をオレに食わせようと

追いかけっこの真っ最中。



なんでくっついてくるのか聞いたって、

那月の答えはいつも同じで。



『翔ちゃんがあ、可愛いくてだーいすきだからです♪』



・・・って、オレ様は可愛くなんかねぇ!!カッコいいんだよっ



その証拠に見ろ。

少し前に、龍也さんと競演したくてこっそり特訓した木登り。

結果的に出演はできなかったけど、おかげで

園庭にあるこの木だけは登れるようになったんだ。


そしてオレは今そこにいる。



「へっへーんだ。

まさかオレがこんなとこに隠れたとは思わないだろうな。

ま、下さえ見なきゃこれくらい平気平気・・・」


とは言ったものの、ちょっと高くまで登りすぎたか?

細い木の幹にしがみつくオレの膝はすでにガクガクだった。




「・・・翔ちゃぁぁぁぁん、翔ちゃぁぁぁぁぁん・・・はれぇ、どこいっちゃったんですかねぇ?」





ふふん、来たな那月め。

つーか、気付かなかったけどなんなんだ?

その胸に抱えたフリフリリボンのついた袋は。

一体今日はどんな殺人料理を仕込んできやがった?!


まぁいい、そのまま通り過ぎてくれ



「リスさんこんにちわぁ、このへんで翔ちゃん見かけませんでしたか?

あなたみたいに小っちゃくて とってもすばしっこいんですよ

うふふ」


オイコラ、うふふじゃねえ。

リスはいいから早くあっちいけ!!!



「おかしいですねぇ、確かにこっちに来たはずなのに・・・

んーーー・・・?ぁれは、もしかして?」


へ、見つかった?まじ?!嘘だろ。



「わざわざ会いに来てくれたんですね、小鳥さん

でも今日は早くおうちに帰ったほうがいいですよ?」


・・・はぁ。なんだ、那月の可愛がってる鳥か。

アイツを見つけて飛んできたってのか、凄ぇ懐いてるんだな。



「あのね午後は雨が降るって言ってましたから、

風邪ひかないでくださいね、くす」


那月の口元を覗き込んでいた小鳥は

ぴるる、と一声鳴くと

止まっていた指先から羽ばたいた。


それを追って空を見上げる那月の視線は

曲線を描いたかと思うと・・・





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