闇、病み、止み 第一章




「私は彼を傷つけませんよ…理由よりも、治療が先でしょう?さ、そこのベッドに下ろしてあげてください…彼の体を休息させましょう。」


言われるまま、そっとベッドに横にさせた。まだ起きる気配は無かった。


「彼について…知りたいですか?」


「あぁ…」


何で政宗がこんな目に遭っているのか、何で誰も助けねぇのか…疑問ばかりだった。






「まだ、教えられません。」


「なっ、何でだよ!?教えちゃマズい理由があんのかよ!?」


「違います…元親君はまだ、彼に認めて貰えて居ない。それなのにあれこれ教えて知ってしまっては、気付かれた時政宗君の信頼を得られなくなりますよ?」


確かに…さっき拒絶された位だ…信頼も何も無い奴にあれこれ知られるのはいい気分じゃねぇ…


「解った…時が来たら、教えてくれんのか?」


「勿論。」


「解った…明智先生を信じる。」


「…それは良かったです…さぁ、彼の側に居てあげてください…椅子、どうぞ…」


ベッドの隣に腰掛けて、政宗が目覚めるのを待った。

じっくり見ると、綺麗な顔してる。格好いいというよりは綺麗が似合う。


ただ、やっぱり頬が少しこけていたり目の下に隈があったりして痛々しい。


「……ぅ…」


小さく政宗が呻いて、苦しそうに眉が寄せられた。


「おい、大丈夫か…?痛いのか?」


声をかけても返事は無い。


「彼はまともな睡眠なんてここしばらく取れていないみたいですよ…いつも苦しそうにしています…よく解りませんが…悪夢、と言う奴でしょうかね…」


「…ぁ……ぁ…」


切なくて、誰かを求めて居る様な声。昼間に会った強気で拒絶する政宗の、本当の心。










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