暖かい宝石




俺と政宗が付き合い始めて、今日で10日目だ。
奥州にもそろそろ顔を出してやらねぇと…きっと俺を想って夜な夜な泣いちまってるかもしんねぇな…



……なかなか可愛いじゃねぇかよ…



1人部屋の中で声を押し殺しながら涙ぐむ姿を想像(妄想)しつつ、元親は船を奥州に向かって進めていった。








「政宗ぇ!!この俺が会いに来てやったぜ!」


門前でそう叫ぶと、早速ドタドタと慌ただしい足音が聞こえてきた。そして、



「元親っ!!」


愛しい愛しい政宗が飛び出て来て、ガシッと元親に抱きついた。

これだけで既に興奮状態の元親であった。


「お、おう…政宗…!随分早いお出迎えじゃねぇか…びっくりしちまったぜ…」


「sorry…けどよ、俺……元親の声がするの待ち続けてたんだ。元親が俺を…す、好きだって言ってくれた日から…会いたくて会いたくて、どうしようもなかった…」


(おいおい…この可愛さは致死量だぜ…!)



「そうかい…そりゃあ悪い事をしたな…」


というか政宗…早く離れてくれねぇと俺のムスコが…


「元親の馬鹿野郎…もう、いっそ…帰らなきゃ良いのによ…」

「俺もそうしてぇよ…だが、それは無理だな。俺にも支えなきゃなんねぇ物がある…沢山の命を抱えてる。政宗だってそうだろ?」


「そう…だけど…」


「そう落ち込むんじゃねぇ。また暫く居てやるからよ。」


「本当か!?どれくらい居るんだ!?」


「そうだな…大体2、3日ってとこか。」


四国にいる野郎共に長い間留守番させるわけにもいかねぇしな。


「そ、それしか…居ねぇのか…?」


「うっ…」


や、やべぇぞ…!そんな、涙ぐみながら俺を見上げるんじゃねぇ!今すぐ●●して●●したくなるじゃねぇかよ!!


「悪い…けどこればっかりは許してくれ、な?」

平常心保つのも一苦労だぜ…!

「OK…解った…」


「ありがとよ…さてと、そろそろ中に行くか。」


「あぁ、早く部屋行こうぜ。」


政宗は無邪気に笑いながら俺の手をとって走り出した。走る度にサラサラと髪が揺れ、風になびく。
たったそれだけなのに、愛しいのはもう病気としか言い様がねぇな。







「なぁ元親…」

「ん?何だぁ?」


部屋に入った途端に寒ぃのを言い訳にして政宗を後ろから抱き締めながらイチャイチャしていると、政宗が改まった様子で俺の名を呼んだ。


「元親…さ…」

「だから何だ?言ってみな。」


「俺…重くねぇの?」





「………………………は?」

いやいやいや。何言ってんだ政宗は。まさか年頃の女子みてぇな言い方してきやがるとは…つかよ、その細さで気にしてんのか。


「全く重くねぇぜ?男がそんな事一々気にしてんな。」

「けど…元親に無理して欲しくねぇよ。」


なんだよおい…目茶苦茶健気じゃねぇか!!
これが所謂ギャップってやつなのか!?


―――これより元親のスーパー妄想タイム―――
(not現実)

「そうだなぁ…強いて言えばちと重いから、全部服脱いだら軽くなるかもな。」


「本当か!?じゃあ…」


政宗はそう言うと少し恥じらいつつも着流しを脱ぎ捨てた。襖越しの日光に照らされ、政宗の肌は白く妖艶に照らされた。


「まだ…重いか…?」


「そうだな。その褌も脱いだら丁度良いかもな?」


意地悪く言ってやると、政宗は指先を震わせながら褌に手をかけ………――――――








―――――………


「…ち、か…元親、元親!」


「え…あ?」

「突然どうしたんだよ?ボーッとしたまま反応しねぇし…」


「いや…その、まぁ気にすんな。大した事じゃねぇからよ。」

本当はかなり大した妄想をしていたが、それは流石に言わないでおく。


「そうか?なら…良いけど。」


「あぁ…気にしなくてもいい。政宗は俺だけ見てな。」


「また、そういう事言いやがって…」


「嫌いじゃねぇだろ?」


「まぁ……な。」



-END-





オチが行方不明←
思った以上にギャグにならなかった…これ只の惚気じゃないかあああorz
あと筆頭が乙女でサーセンでしたorz




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