アジアを代表する情報屋の一つ、「十陰(とかげ)」。

情報屋だと言うのに素顔を曝け出していることから、彼を知る人間、つまりは「裏の世界の住人」であるのならば一目で「彼」だと気付くことができる。それは彼の持つ膨大な情報量を物語っていると同時、彼に依頼する者も数多いということの証明でもある。けれどその一方、「十陰に明らかな利益が無い状況下では、十陰の言葉を絶対に信用してはいけない」という言葉もあり、それはマフィア界での暗黙の了解でもあった。尤も、裏の世界の住人でもあるのならば、簡単に人を信用してはならないと言うことくらいは心得ているだろうけれど。


今年の新学期、新一年生として風紀委員長の妹である「雲雀澪」が入学し。情報屋という職業に就きながらも、並盛中学にて彼女のクラスを担当している「三崎傑」はプツリ…と切れた携帯電話を手に握り締めながらふぅ、と息をついた。聞き慣れた異国の言葉を煩わしいと思っているわけではなく、呆れを多分に含ませたその表情の理由(わけ)はまた別にあったのだ。

くるりと回転式の椅子を回して元の位置へと戻しつつ、握り締めた携帯を横に置いて目の前のマウスを移動させる。ダブルクリック。キーワード。打ち込み、完了。

―――ガラリと音を立てて、部屋と廊下とを遮る扉が開かれた。





「三崎先生ー、サボった時のプリント提出しにきましたぁ」


「…お前絶対に態とだろ、來夜」





コンピュータルームに己の存在がある事を知りながら平然とノックすることなく入ってきた、自身の信頼する風紀委員長様の方面で完全に知り合いと化した少女の登場に、流石の彼も嘆息を隠す事は無かった。

























Tale vita quotidiana












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