Merry Maker



make merry over・・・からかう。







投げられたボールを、瞬時に判断する―――打てる。そう思った時には既に体が動いていた。
けれど、視界の端、遠くに捉えたセーラー服に一瞬気を取られて、

カキィンッ!!

聞き慣れた甲高い音は、やっぱり何度聞いても爽快・・・だけど、今のボールは運悪くフライになっちまった(一瞬とは言え気を取られたら、ま、仕方ねーよな!)。ホームランみたいな綺麗な弧は描かず、極端に高く跳ね上がる。
そのボールは、正面へは向かわずに横へと逸れていく。バッドにそう言う風に当たったか、もしくは上空を流れる風のいたずらか。そんなことを思いつつ、フライのボールを見送る―――後輩がその球を追いかけて行った事を一瞥、もう一度ボールを見て。
・・・誰かの「危ない!!」と言う叫び声と同時、思わず駆け出していた。


「―――澪ーっ!!」


走りながら、叫ぶ。勿論、澪の不思議な力の事も知ってるから、心の中でも大絶叫。
遠くの方で、びっくりしたように肩を竦めてこちらを振り返った澪。その隣にいたヒバリも(何か何時もより眠そーだな?)こっちを向いて―――でも、その時にはもう、俺が打った野球ボールが、澪の頭上に迫っていた。








Merry Maker







・・・呆然とした表情で、グラウンドに座り込んだ澪。その正面に、倒れたまま起き上がらないヒバリ。二人を見下ろして、どーすっかなー、って首を傾げる俺に、―――しーん、と静まり返る周囲。
くるっと後ろを見ると、あまりの出来事に途中からボールを追いかけるのをやめた後輩と、呆然と立ち尽くす野球部員と、先生。前を見ると、同じくグラウンドを共有しているサッカー部員たちも、動きを止めて呆然とこっちを見ていた。
さて、どうしたもんかなー。そう思ってもう一度首を傾げたとき、


「―――お、兄・・・ちゃ・・・っ」
「ぅおっ!?」


震える声でヒバリを呼んだ澪に、慌てて澪の傍にしゃがみこむ。


「わ、悪かった澪! ごめんな、謝るから泣くなよ、な! ヒバリなら大丈夫だって、なんてったって強えーし、この程度で死んじまうよーなナヨい作りしてないだろ?」
「・・・泣いてないよ、」


いや、確かに泣いてはないけど泣きそうになってるだろ。って、出かかった台詞は何とか呑み込んで、苦笑。
小さく答えた澪は、ヒバリに向けていた視線で一回こっちを見上げて、また戻る。その時見えた、いつも以上に潤んだ目にずきりと胸が痛んだけれど―――それ以上本格的に泣き出す様な気配はなくて、ごめんな、と言う意味を込めて項垂れる頭をぽんぽんと撫でた。
多分、ヒバリと澪は放課後の見回りでもしてたんだろうか。そこを俺が打ったボールが運悪く澪に突っ込んで、・・・澪を庇ったヒバリの頭に激突。結果、澪はヒバリに突き飛ばされた反動で座り込んでいて、ヒバリはそのまま気絶・・・したのか? あー、目ぇ閉じてる。気絶してんのかな、やっぱり・・・起きる気配もないもんな。
・・・そーいやヒバリって、気絶すんのな。始めて見た。


「(どーすっかなー、)」


倒れたままのヒバリを見下ろして、改めて考える。
こいつの性格上、周りに手助けされるのって嫌がると思うんだよな。だからってこのままここに倒れさせとく訳にもいかねーし・・・と言っても、澪がヒバリを応接室まで連れて行けるわけねーし。
って、


「っいしょ、・・・っ、」
「・・・。澪、何やってんだ?」
「―――お兄ちゃん、応接室に・・・」


澪が、ヒバリを背負ってフラフラと立ち上がったもんだから、驚いた。
きょとんとそれを見守る。立ってるだけでもフラフラして危ないのに、こんなんで応接室に行くなんて、何処かで絶対倒れる気がする。・・・と言うか澪、そのままじゃヒバリの足引きずるぜ(澪って小っせーもんな)?
って思ってる傍から、


「っわ、ぁ・・・!」
「お、」


やっぱり、一歩踏み出すと同時にバランスを崩して―――俺の方に倒れて来たのを、ぽすっ、と澪の頭を押さえて支えてやった。
きょとんと眼を瞬かせる澪に構わず、その小さい背中に乗るヒバリをひょいっと奪い取り、「えっ?」と戸惑いに見上げてくる目を無視して。


「ぶちょー、ちょっと俺抜けますんでー」
「お、おう・・・」


一言断ってから、そのまま部活を抜けた。


「応接室に連れてけばいいんだな?」
「あ、―――・・・え、山本先輩っ、お兄ちゃん運んでくれるの助かるけど、先輩は部活が・・・」
「いーっていーって、放っとくと澪絶対その辺で潰れてるだろーし」
「潰・・・」


複雑そうに顔を顰める澪だけど、反論できないのか、むすっと唇を曲げて黙り込んだ。
その頭をぽんぽんと叩く様に撫でてから、歩き出す。
後ろから澪が付いてくるのを確認して、


「・・・なぁ澪、何でヒバリ、トンファーでボール防がなかったんだ?」


普段から、小僧の玩具とか獄寺の花火とか、何でもかんでもトンファー一つで弾き返している奴だ。今更野球のボールが弾き返せないなんて言うわけないだろうし―――疑問をそのまま質問してみると、澪は少し困った様に眉根を寄せて、沈黙。
数秒待っても返事が来ない。―――・・・うーん、


「いや、やっぱ今のナシ」


にっ、といつもみたいに笑うと、澪は驚いた様に目を見開かせて俺を見上げて、―――安心した様に薄らと、笑った。
よいしょ、とヒバリを背負い直して、他愛ない会話をしつつ応接室に向かう。途中で擦れ違う好奇の視線は、澪の「何。」と言う声と一睨みで即座に散っていく。普段はあんま似てねーけど、こーゆートコは似てるんだよな。
でも、だからって四六時中べったりな訳じゃないらしい。たまーに、今回みたいに一緒に見回りしてるのを見かけるけれど、ヒバリ兄妹を見かけるときは、大抵単体だ。兄だけで見回ってる事もあれば、妹だけで見回ってる時もあるし。そう言うときはきっと、片方が書類整理でもしてるんだろうか。
シューズへと履きかえながら、多分一年の靴箱方面にいるだろう澪に、問いかける。


「なぁ澪ー、」
「なに?」
「お?」


けれど、随分と近くから声が返ってきてびっくりした。振り返ると、澪が既にシューズへと履き換えていて。


「・・・何やってんだ?」
「校内は基本的に土足厳禁、逆もまた然り。例外は火事などの緊急時のみ認可」
「・・・・・・・・・」


その意味が判らずきょとんとしてると、澪はヒバリの両方の足から靴をすぽんと抜き取り、また何処かへと消えた。と思ったらすぐに現れて、片手に・・・恐らく、ヒバリのシューズ。


「・・・履かせるのか?」
「ううん。今は面倒だからいい」


だから早く応接室連れて行こう。と、廊下の先を指さした澪に、苦笑。―――本当に、たまに判らない、この二人。独特な思考回路と言えばいいのかもしんねーけど・・・ま、そこがまた面白いんだけどな!






* * * *






どさり。
―――と、ヒバリを応接室のソファへと連れてきて、そこに転がした。・・・それでも目覚めないなんて結構、何気に危なかったりするのか。いやいやいや、ヒバリに限ってそんなはずねーよな!


「ヒバリー? おーい、起きろよー」


ピクリとも動かない。


「あ、あそこのやつら風紀乱してまーす」


無反応。


「・・・澪襲うぞー?」


動かない。
・・・うーん、澪のネタで起きないなんて、本格的にやばいな。


「―――山本先輩、呼んだ?」
「ん? いいや、ちょっとヒバリ起こすのに色々言ってみたんだけどなー」
「・・・起きない?」
「ピクリともしねーな。・・・って澪、大丈夫だから大丈夫だから!」


答えたと同時、ぎゅうっと唇を引き結んで眉根を寄せて俯いた澪に、慌てる。
給湯室から出てきた澪は、その手に洗面器を持っていた。何だそれ、と聞いてみると、タオルという短い返事が返ってくる。・・・あぁ、ボールが当たったところを冷やすってことか。
成る程、と手を打つ。


「じゃあ、氷とか貰って来たほうがいいか?」
「ううん、あるから大丈夫」
「・・・何でもあるんだな、応接室って」
「そうでもないよ」


氷水が入ってる洗面器をテーブルに置いて、中に入っているタオルをぎゅうっと絞る。冷たそうだな、とその手元を見ながら思った。・・・実際冷たいんだろーけど。
よく水気を絞ったタオルを片手に、澪は一度ヒバリの後頭部にもう片方の手を添えた。そー言えばボールはヒバリの後ろから当たってたっけ、とその瞬間を脳内でリプレイ。
その時、澪が眉を寄せて「たんこぶになってる」と不服そうに一言呟いた。気まずくなってもう一度「ホントにごめんな」と謝ると、無言で首を横に振られる。もういい、って意味だろうか。
ヒバリの頭を丁寧に持ち上げ、枕にするみたいに冷たいタオルを置いて、その上に頭を乗せる。―――頬にかかっている黒髪をそっと払った澪の指先がやけに優しく見えて、ちら、と澪を一瞥した。


「・・・澪は、本当にヒバリが大好きなんだな」


そう言うと、不思議そうな瞳が向けられる。数秒間見詰められたかと思うと、視線を外して静かに首を傾げる澪。何かを考えているようなその間に、ただ黙って澪の言葉を待ってみた。
―――ようやく、その小さな唇が開いたと思ったら。


「・・・大好きじゃ、駄目なの?」


純粋な質問が返ってきて、戸惑ってしまった。
・・・いや、駄目じゃない。駄目じゃないけどな、―――「兄」の事をそこまで大好きな「妹」って言うのも、なかなか、珍しいと思う。
悪い事じゃない。寧ろいいことだと、俺は思う。仲が悪いより、仲が良い方が、「いいこと」だ。


「・・・私は、お兄ちゃんが大好きだよ。・・・それは、駄目なこと?」
「別に、駄目じゃねーけどよ・・・」
「・・・直した方が良いかな。・・・依存しすぎ?」
「んー・・・」


・・・不安そうに見上げてくる目が可愛い、なんて、場違いな事を考えちまった。
ああ、こいつ、本当にヒバリの事が大好きなんだな。そう考えると、自然と頬が緩んできて―――なんだか、こいつらが仲良いと、俺まで嬉しくなってくるんだ。
澪は、可愛い。すげぇ可愛いと思う。これは恋愛感情じゃない、もっと、なんていうか・・・くしゃくしゃになるまで甘やかしたくて、ぐりぐりと可愛がりたくて、ふんわりと守りたくて。こういうのを何て言うんだっけか―――そう、目に入れても痛くないとか、そんな表現。兎に角可愛くて仕方が無い。何よりも、そんな澪を妹に持つヒバリが、何だか羨ましいんだ。
俺が一人っ子だからとか、そんなこと言われたらそれまでだけど。


「―――澪は、ヒバリが大好きなんだろ?」
「? うん、」
「じゃあ、例え周りから見て『駄目』だとしても、澪が譲る必要は無いと思うんだよな」


大好きなら大好きだって、堂々と胸張ってりゃいーんじゃね? と続けると、澪は不思議そうに目を瞬かせてから視線をヒバリへと戻し、


「・・・私、」
「ん?」
「お兄ちゃんが、すごく、大好きだよ」


―――ああ、頬が、緩んでく。
なんか、本当に嬉しい。こいつらが仲いいと、嬉しくて仕方がない。これは、なんだろう。まるで、こいつらの親にでもなったような気分だ。実際そんなの冗談じゃないし、ヒバリだって冗談じゃないと顔を歪めるだろうけど。
不意に、澪が小さく息を詰めたのが判った。固唾を呑んで見守るその視線が、それまでより少し強張っているように見える。かと思えば、小さく身を乗り出してヒバリの顔を覗き込み、


「お兄ちゃん、」


呼びかけるように、呟く。


「・・・お兄ちゃん、―――・・・お兄ちゃん」


なんだか、保護者に縋る小さい子供みたいに見えて、薄れ掛けていた罪悪感が再燃してきた。
ぎゅ、とヒバリの服を握り締める小さな手なんか、・・・あぁ、心が疼いて仕方が無い。もしこれを意識的にやっているなら、澪は大した役者だ。尤も、意識的にやってないからこんなに心が疼くわけで。
・・・知らず、苦笑が漏れる。


「お兄ちゃん」
「―――、・・・」


小さな唸り声がヒバリの口元から漏れた。直後、軽く震えた睫毛をじっと見詰めると―――ひどく重そうに、瞼が開いていく。


「お兄ちゃん・・・っ」
「・・・澪・・・?」


状況が理解できてないのか、少しだけ考えるように周囲を見渡したヒバリ。その先に澪を見付けて、やっぱり不思議そうに瞬きをした。それからまた視線を動かして、澪の後ろから覗き込んでいる俺に気付いて、静かに眉根を寄せた。
・・・人の顔見て顔顰めるなよ。


「―――あぁ、そうか」


思い出した。眉根を寄せて囁く様に呟いたヒバリに、また苦笑した。
その苦笑が気に食わなかったのか、一瞬だけキッと睨まれ、けれど直ぐに視線を逸らされて溜め息をつく。おいおいそりゃねーだろ、と思ったその時、視界の隅っこで澪が唇を引き締めたのが見えた。


「・・・お兄ちゃん、何で庇ったの」
「? 何で、って・・・」
「たんこぶできてるよ」
「・・・・・・・・・」


硬い声色で続ける澪を一瞥してから、ヒバリは自分の後頭部にそっと手をやった。触れた瞬間だろうか、多分痛みに顔を顰めた。
何で庇ったの、ともう一度質問した澪に対して、ヒバリは改めて澪を見上げる。


「・・・変な事を聞くね」
「え、」
「ねぇ澪、澪は、僕の何?」


少しだけ、眠そうにそう呟いたヒバリに。
澪は一瞬息を止めてから、擦れるくらい小さな声で、答える。


「・・・『妹』、だよ」
「うん。なら、庇うのは当たり前だろう」
「―――・・・」
「澪は、僕の『妹』なんだから」


もう一度唇を引き締めた澪は、けれどヒバリの服を握り締めていた手をそっと解いて、それからこてんとヒバリの胸に倒れこんだ。
ヒバリはヒバリで、澪に構わずふわりと大きな欠伸を一つ。


「お兄ちゃん、」
「何」
「心配したんだよ」
「澪に心配されるなら、悪い気はしないかな」


くすくすと可笑しそうに(そして嬉しそうに)笑ったヒバリ。でも、やっぱりどこか眠そうで。
かと思えば、何だか煩わしそうに俺に一瞥をくれると、


「・・・山本武」
「ん?」
「邪魔。」


そう言って、なんか子供を追い払うようにしっしっと手を払ってきた。・・・ちょっとムカついた。


「・・・(でも、)」


ヒバリの言葉に驚いて顔を上げて、おろおろとヒバリと俺を見比べる澪に笑いかけると、


「んじゃ澪、ヒバリも目ぇ覚めた事だし、俺は部活に戻るな!」
「あ、うん」
「早く出て行け」
「ははは、ひっでー」


相変わらずだなコイツ、と笑顔を浮かべたけれど、何をするでもなく出入り口へと向かって―――扉を閉める直前、もう一度二人に目を向けてみると、ヒバリが着てるシャツの一部がすげぇくしゃくしゃになってることに気付く。
袖口で目元を擦っている澪と、その澪を宥めるように頭を撫でたヒバリに、・・・早く出て行け、と言わんばかりにもう一度睨み付けられて苦笑。
それからは、そのまま―――応接室を出た。






* * * *






ヒバリと澪が「仲がいい」のは知っていた。
恐らくそれは、周知の事実だ。そもそも、あの「雲雀恭弥」が(妹だとしても)自分の傍にいることを認めている時点で、仲がいいことは明白。老若男女誰が見ても、少なくとも「仲が悪い」とは思わないだろう。
俺は、仲がいいことを知っていた。―――「仲がいい」事を知っていただけで、その起源までは知る由も無いけれど。
つまり、


「どーやって、あそこまで仲良くなったんだろーな」


そんな疑問に、俺は行き着いたわけで。
歩いてきた廊下の先をちらりと一瞥。もう応接室のプレートは見えないけど、しかと見てきた彼らの「仲良しさ」がうっすらと、けれど鮮明に見えた気がして、思わず笑った。
兄妹。キョウダイ。血は繋がってる。けれど、所詮は「他人」だ。
―――どうして、そこまで、仲良くなれる?


「・・・本当の本当に、仲良しなんだな」


友達なら、俺にもたくさんいた。でも断言できる、「親友」を作った記憶は一度たりともない。多分、ツナや獄寺が初めてだ。野球以外の時間を、特定の人間とつるんでるなんて。
ヒバリ兄妹が羨ましいと思う。それは、否定できない。でもその「仲良さ」が、昔起こった悲しい事が原因で成り立っているなら、と思うと―――いつも、顔を顰める。
澪の持つ力の所為で、昔、澪は壊れかけた。壊れかけた澪を助けるために、守るために、ヒバリが傷付くの覚悟でたくさん頑張った。そのおかげで、今のこの状態が作られているなら―――二人は、澪を壊しかけた力に感謝しなきゃいけないのかな、とか考えちまって。
だってもし、澪にあの力が無かったら・・・あいつら、あそこまで仲良くならなかったよな、絶対。


「・・・・・・・・・」


そう思うと、この世の中には、意味の無い事なんて無いんじゃないかって思うようになってくる。
―――俺がツナたちと「親友」でいるのは、俺が前に死のうと思ったからだ。じゃあ、俺が死のうと思わなければ、今ツナたちとは「友達」ですらなかったんじゃないか?
そこまで考えて、あぁ駄目だな、と苦笑する。考えが纏まんねー。莫迦が考え事しても、知恵熱出すだけってか?


「何考えてんだ、山本」
「ん?」


いつの間にそこにいたのか、開いていた窓にちょこんと座っていた小僧にそう言われた。特に驚くでもなく、首を傾げてから笑い返して、


「やっぱツナは只者じゃねーよな、って思ってな!」


澪は普段、無反応で無表情で、ひどく無機質な人間であるにもかかわらず、その内面や思考回路はとても一生懸命で、とても健気な奴で。
最初こそ俺らにも素っ気無い態度を取っていたけれど、ここ最近、やっと俺らにも笑顔を向けてくれるようになった。―――いや、俺らが澪の笑顔に気付けるようになった、とも言えるけどな。
・・・多分、ツナのお陰だ。何もかも全部すべてみんな、ツナのお陰なんだ。
俺が今「こんな風に」笑えるのも。澪が俺たちに笑いかけてくれるようになったのも。


「あたりめーだ。ツナは、未来のボンゴレ十代目だからな」
「はははっ、そーだな! ツナはマフィアのボスだもんなー」


全部、ツナのお陰なんだと思うと。
澪の「特別な笑顔」が向けられるのがツナなら、うん、許してやるか!


「あー・・・ほら、父性本能ってやつだ! な、小僧!」
「・・・そーだな(コイツ話逸らしやがったな)」





























merry maker・・・浮かれ騒ぐ人。





■□■□■


紗蘭々様リクの「山本君視点で空悪夢主と兄様の仲良し」でした。紗蘭々様、ありがとうございました!


コレは仲良しというか…仲良し?

なんとなくもっさんが黒…いや、スレ? てるのはスルーしてやってくださると嬉しいです。



以下おまけ。

雲雀さんがボールを避けられなかった原因。






















「・・・ねぇ、お兄ちゃん」

「何」

「野球のボールすら避けられないくらい眠いんだったら、無理に見回りしないでも…」

「別にいいじゃないか。結果的に澪は無傷だし、」

「もうしないでね?」

「・・・澪?」

「しないよね?」

「・・・・・・・・・わかったよ。眠いときには見回りしない。それで良いだろう」

「・・・(ホントに判ったかな・・・)うん」





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