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《 2 》









反射とは言え、ちゃっかり鍵まで閉めていた自分に呆然と立ち尽くした。
でも、だって、知らない男の人が応接室に居るなんて。誰だって混乱する、・・・よね?
あの人は一体誰なんだろう。何で応接室に。まさか無断で校内に? 風紀委員たちは何をやってるの。それとも許可済み? だったら私にも連絡が来るはず。でもそんな話は全く聞いてない。まさか一般人じゃなく、マフィア関係の人間? だったら風紀委員に気付かれず進入する事もできるだろうし、気配も全くなかった。私も、彼が立てた物音で「誰かが応接室に居る」と気付けたわけで。ボンゴレ関係者? それともその他のマフィアの人? だとしたら私今かなり危険な状況な気がするんだけど。でもあの人にそういった敵意みたいなのは―――、

ガチャガチャッ、

「ッ!?(えぇ!?)」
『・・・開けてよ』
「や、何で・・・ッ」
『じゃあ開けなくてもいいから質問に答えて。雲の守護者は何処?』
「!!」


マフィア関係者だ。もしかして、お兄ちゃんを狙ってきたんだろうか。だとしたら何て命知らず・・・あ、でもこの人も結構強そう。


「・・・っ」
『・・・答えないの?』
「―――お、お兄ちゃんに、何の用ですか」
『君に言うつもりはない』
「じゃあ私も言わない。帰って・・・!」
『・・・そう。ならちょっと失礼するよ』
「っ、え」


―――どういう意味か、聞く間もなかった。
扉の奥、一瞬だけ見えた紫色の炎。硬いものが折れるような破壊音。少し歪む扉。次の瞬間、扉がぐらりと揺れたのが見えて慌てて後ろに下がれば。
盛大な音を立てて、扉が床に倒れ込んできた。


「・・・っ」


蝶番と鍵を壊され、倒れた扉を踏みつけてこちらへとやってくる彼。
アイスブルーの目は、真っ直ぐ私へと注がれている。


「君は多分、勘違いをしている。僕は雲の守護者をどうこうする為に来たんじゃない」


どくり。心臓が緊張を感じ取り、早く脈を打つ。


「―――守護者が居ないなら好都合だ。」


違う。
この人は、お兄ちゃんを狙ってるんじゃなくて。
狙ってるのは―――


「君を攫うには、邪魔だからね」


―――『夜空』、だ。

























「身構えなくていいよ。僕に逆らわず協力してくれれば、何もしないさ」

「・・・、・・・?(協力・・・?)」







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