自己紹介は嫌いです 1/1


梨月視点

××

試合も終わり(全く動かなかったけど)、入学式も終わり(出てない)、今はクラスでHRの時間だ
……皆さん、中学校で入学式が終わったあとの最初の授業って何やるかわかる?
そう、自己紹介
何故に他人に自己を紹介しなくてはならないのか全く意味の分からんやつだ
自己紹介とかタルイ、めんどい、嫌だ、略してTMI
やだなー、サボろうかな…
でもサボったら七瀬怒るんだよね、私を1人で男の集団の中に残すなっ!って…

「松風天馬です!!好きなことは………」

そんな事を考えているといつの間にかあと3つの所まで順番が回ってきていた
……どうしよう、果てしなくめんどい
第一自己紹介なんてなんでやらせるのさ
そういうのが嫌いな人種だっているんだぞ!!

「次はー、梨月だな!!」

担任が私の名前を叫ぶ
あぁもう順番回ってきた
こうなったら覚悟を決めるか

「…梨月です、現在は中学生兼性帝(笑)の元でシードをやらせてもらっていますけど働く気はありません、私に働かせた場合はブラックウッドの秘密貯金で買ったジンギスカンキャラメルを食べさせるのでよろしくお願いします」

言い終えた途端、なんとも言えない空気が教室を支配した
はっ!この空気は性帝の飲み物をコーヒーからコーラに変えて、長々とした説明を性帝がした後、それを飲んだ途端咽た時の空気と似ている!!
にしても今の説明に変な所あったか?
私がこれはどうしたらいいものかと思って居ると、廊下に一人の影があった
・・・あれは

『君は名も無いシードAじゃないか!!』
『いや、俺ちゃんと貴崎勇二って名前があるんですけど!!』

…そうだっけ?
人の名前って覚えるのめんどいから七瀬と剣城以外あんま覚えてないんだよね

『で、どうしたの?廊下で1人でうろうろして』
『いや、何自己紹介でどうどうとシードって明かしてるんですか!!』
『いや、黒の騎士団戦でもうバレてるでしょ』
『それでも一般人達には秘密って聖帝に言われてるでしょ!!』

……言われたっけ?
性帝の小言なんて覚えてないんだけど

『それに働く気が無いってどういうことですか!!』
『シードA君…この世には働いたら負けって言葉があるんだよ』
『めちゃくちゃいい笑顔で言わないで下さい!!』

何言ってるんだコイツは…
この世は働いたら負け、そんな当然の摂理を今さら覆す事など誰にもできないんだよ

「あー、梨月、もう座っていいですよ」

先生がずっと立っている私を哀れに思ったのか、座ってもいいと言ってきた
あー、よかった、立って居るの辛かったんだよね

『…で、本当の用件は何?シードA君』
『気づいていたならいいっすけど…俺達はこの学校から去ります』
『は?どういうこと?』
『ですから、この学校に残るシードは剣城さんと梨月さんと七瀬さんだけです』

……どういうことだ?
ま、ブラックウッドも居なくなるならサボってもバレないし良いけど

『それと、サッカー部の方で入部テストがあるらしいので監視宜しくお願いしますね』
『…やだ、めんどい、働くの嫌い、剣城君に全部やらせなよ』
『…………ともかく、宜しくお願いします』

私の言葉を華麗にスルーして去っていったシードA君
……あれ?私の所に来たってことは七瀬のところにも誰か行ったってことだよね?

………生きてるといいね

(とりあえず、七瀬に何か買ってあげて慰めないといけないな)



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