「あ、ん……っ、ふ…ッあァ……ッ」急に突き上げられて、思わず大きな声をこぼしてしまう。「飛鳥、おいで」引き寄せられて沙生に覆いかぶさると、また甘いキスをくれる。絡まる舌から、僕はゆるりと蕩けていく。くっつけあった胸が、とくとくと動いてる。沙生の心臓が、僕の中に入ってきたみたいだ。「沙生、愛してる……」口にすると、沙生がギュッと抱き締めてくれる。「愛してるよ、飛鳥」キスをしながら、快楽を求めてゆっくりと揺さぶられて。僕は沙生にもつれるように抱きつく。沙生の遺伝子に絡まるみたいに。「あ、ぁ……ッ、沙生、イきそう……っ」こんな緩やかな刺激にも堪えられないぐらい、僕は沙生に囚われてしまっている。「いいよ、飛鳥……」沙生の赦しに甘えて、僕は容易く果てていく。「ああ……っ、ん……ぁ……ッ」力の抜けた身体を沙生に預けて、僕は呼吸を整える。抱きとめてくれる沙生の腕の中が、心地よくて。ずっとずっと、このままでいたかった。「沙生、浮気したら駄目だからね」たくさん愛し合った後。裸のまま羽毛布団にくるまって抱き合いながら、僕は沙生に釘を刺す。「飛鳥がこんなにかわいくてきれいなのに、浮気なんてできないよ」苦笑する沙生は、何だかかわいかった。「でも、前に油断してキスされたことあったでしょ」「あれは ─── 」以前、沙生が同じ研究室の女の人にうっかりキスされてしまったことを、僕は子どもっぽく持ち出してしまう。「うん、ごめん」沙生の困った顔も、僕は大好きなのだけど。「じゃあ、こうしようか。春から、同じ大学に通うから……」一旦言葉を区切った沙生の鳶色の瞳が、煌きながら僕を映す。「外で一緒にいるときは、ずっと手を繋いでいよう。飛鳥が俺の恋人だって、皆にわかってもらえるように」「本当に?」 - 50 - bookmarkprev next ▼back