キリコちゃんとPoHさんが
※キリト君がGGOの女の子のようなアバター、通称キリコちゃんになったときのお話です。
PoHさんとキリトくんがもしその状態でであったら、というお話。
前半は付き合ってないver.で、後半は付き合ってるver.です。
いつもどおりなんでも許せる方向けです。
あと、にわかなんですがホロウフラグメントの設定かじってます。
ゲームやってない人でも普通に読めます。
ゲームクリア済みのSAOの話なので、ラフコフは既にいませんが、PoHさんだけはいます。
以上、許してやるよという寛大な方のみ↓
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■付き合ってないver.
キリトくんは女の子ではありません。でも、SAOの中でも屈指の美少年というか女顔です。しかも、そこらへんの女の子よりかわいいです。
ここはソードアート・オンライン。
ゲームをクリアできた後、どうやって脱出すればいいのか困り果てていたときの話です。
「なんだろ、なんか届いてる」
アイテム欄に、見覚えのないアバター装備名が記されていた。どうやら装備一括のものらしい。そういえば、昨日クリアしたクエストに、こんなコードがあったんだっけ。ステータスをみると、なかなかの高性能のようだ。
「お、けっこういいじゃんこれ」
自分好みの黒色装備をみて、目を輝かせる。
「ちょっと着てみようかな」
キリトは、何のためらいもなくそのアバター名を指でタッチした。装備を付け終わったキリトは、両手両足、全身をみて「おおー」と感嘆した声を上げた。
「いいじゃんいいじゃん。色も好みもいいかん……じ……」
そこまで言って顔を振ると、ぱさり、と長い髪が垂れた。
「!?髪、のびてる!?」
あわててキリトは全身を見ることの出来る鏡の前へと移動した。そして、自分の姿を確認し、目を見開いた。
「え……えぇーー!?」
鏡に映る自分は、どこからどうみても女の子だった。
「な、ななななんだよこれっ!?」
キリトはあわてて装備を解除しようと画面をタップするが、なんと装備の解除が出来ない。
「なんでだよ!?」
それならもともとの装備をつけようと、そちらの画面も押してみるが、いっこうに変化がない。
「うそ……マジ……!?」
どうやらバグのようだとわかると、
「なんでいつも俺ばっかりこうなんだーー!!」
と、叫んだ。そんな俺を、誰が責められようか。いや、誰も責められないだろう。
「今日は厄日か……」
そんなこんなで、この姿をキリコアバターと名づけた俺は、この装備が解除できるまで、この姿でいることを決めたのだった。
****
今日はもともと、圏外のダンジョンでレベル上げをする予定だった。もちろん一人で、だ。そして、この姿になった今では、友人たちに見られるわけには行かない。まぁもともと一人で攻略する予定のダンジョンだったから全く問題はない。だがしかし、万が一誰かと鉢合わせでもしたら、とんでもないことになるのは目に見えている。と、いうか俺がキリトだということをわかってくれる友人はいるのだろうか。いや、たぶんいない。だって自分でさえ信じられなかったんだから。そんなこんなで、友人たちに会わないような道を通って、圏外のダンジョンへと向かっていた、わけなのだが。
「……しまった」
キリトは焦った。絶対に通らねばならない道に、見慣れたポンチョの男が立っていた。立っていた、というよりもこちらに気付いて待ち伏せしているといった感じだ。俺は、この姿だからたぶん誰にもわからないだろうとタカをくくっていた。と、いうかわかってたまるか。だから、目の前の男の前も、普通に通ればよかったのだ。いやいや、むしろいっそのこと逃げ出してもよかった。というより逃げるのがベストだった。だってヤツは俺だってわかってないんだから、俺さえこの場からさっさと逃げれば少なくともこういう状況にはならなかったはずだ。たぶん。
なぜ索敵スキルを使いマップをみていなかったのか、とキリトは自分の失態に舌を打った。そして、そのマップをみていた男――PoHは、俺より早く俺を見つけていたわけだ。それで、ターゲットされた、と。
「……女か」
PoHはかつかつとブーツを鳴らしてこちらへと近づいてくる。すぐにでも後ろへ逃げてしまいたかったが、もうこんなに近づいてしまっている。あいつなら、すぐに追いついてしまう。
「?見たことねぇ面だな」
案の定、PoHは俺を女だと思っているようだった。そこで、俺はいい事を思いついた。
「そ……そういうあなたは、どなたなんですかぁ?」
甘い女のような声を出し、アスナがやっているような女の子のとるポーズをやってみた。効果は抜群で、PoHはいぶかしみながらも、完全に俺を女と勘違いしたようだった。
「俺を知らねぇのか?結構有名だと思ったんだがな」
その認識は、正しい。むしろPoHを知らないやつのほうが少ないだろう。だが、俺はそれを知らぬふりで押し通すことに決めた。
「すみません、最近この辺に引っ越してきたばっかりで……」
だから、帰らせてくれ。頼むから。
「フーン……」
値踏みするように俺を見てから、何かに気付いたようにPoHは顔を俯け、肩を震わせた。
「ク……」
「?」
俺は警戒しながらも、PoHの様子を見つめた。
「ククククク……ッははははははっ!!!」
突如として、PoHは腹を抱えて笑い出した。
「!?」
俺はおどろいて、後ろに飛びずさった。
「ははは……くくく、ひひひ」
PoHは狂ったように笑い、それからようやく笑いが収まったかと思うと、俺のほうへ顔を向けた。そして――――
「どういう趣味だ?《黒の剣士》」
と。
俺は、体が硬直した。
「お前、抜けてんなぁ。後ろの剣や名前を見りゃ、誰でもわかるだろうが」
俺ははっとした。そして、かぁぁっと顔が赤くなった。
「俺のアホ……!!」
言い訳のしようがないミスを痛感して発した言葉に、PoHはさらに笑った。
「あー、腹痛ェ。お前、なんだってそんな格好してんだよ」
PoHにケラケラ笑われ、俺は耳まで赤くしながらボソボソと呟いた。
「バグったんだよ。この装備付けてみたら解除できなくなって……」
PoHは可笑しそうに笑い、俺の長くなった髪に手を伸ばし、くるくると弄び始めた。
「へぇ、こんな面白ェ装備があんのか」
「変わるか?」
じとっとした目で睨みつければ、PoHは空いている手をひらひらと振って「冗談だろ」と笑った。
「俺だってこんなことになるなんて知らなかったしわかってたら着なかったしどう見てもこれ女の子だし!」
一気にまくし立てると、PoHはまた喉を鳴らして笑った。
「まぁ、貴様にとっちゃあ残念だったかも知れねぇが、これはこれで見る分にゃ面白ェぞ」
「そりゃそうだろうな!あぁ、もう。なんだってお前に会っちゃったんだ。俺のバカ。今日はほんとツイてない」
PoHはそれまで弄っていた髪を離すと、キリトに笑いかけた。
「ツイてるじゃねぇか。俺に会って、見逃してもらえるってんだからな」
「……見逃してくれんの?てか、お前今までどこにいたんだよ」
「貴様に教えてやる理由はねぇな。今回は面白ェモン見せてもらった礼だ、特別に見逃してやるよ」
PoHはニヤニヤと笑うと、キリトに囁きかけた。
「もし貴様が本当に女だったら、抱いてやったんだがな」
と。
キリトは蔑む目でPoHを睨むと、PoHの体をとんっと押して離れた。
「次は、俺のほうがお前を捕まえるからな」
「やってみろよ、勇者サマ」
2人はしばらくにらみ合うと、どちらからともなく背を向けた。
キリトは舌をもう一度打つと、
「やっぱ、最っ悪の日だわ、今日」
と呟いた。
付き合ってないver.END!
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■付き合ってるVer. ※R-15。
「PoH、お前、絶対楽しんでるだろう」
キリトは、完全に遊ばれていた。
見覚えのない装備がアイテム欄にあって、けっこういいものであるとわかったから、装備をつけてみた。
そしてら、バグが発生して解除も装備交換も出来なくなった。
目下一番の問題は、キリトの顔が、完全に女の子と呼べるものだということ。
髪も長く伸びて、男ですといわなければ女の子に間違われても仕方がない容姿になってしまった。
そして、ここは圏外で俺が使っていた宿の一つ。
PoHとの密会場所となっているそこは、俺の友人たちに見つかることもない。
今日はせっかくPoHに会えると楽しみにしていたのに、こんなハプニングが起こるなんて。
宿に来たPoHは、俺の姿を見て一瞬ぽかんと口を開けてから、ひとしきり笑うと部屋の中へと入った。
「元々女顔だったっつーのに、もうこれじゃ間違えるなって言われたほうが難しいな」
「うぅ・・・」
キリトも、自分がいまだに信じられない。
「だが・・・」
PoHはゆっくりと、キリトの頭の先からつま先までをみつめた。
長く伸びた髪。
大きな目と、長いまつげ。
整った鼻と、桃色の唇。
元々の女のような細い体と、中性的な服装。
「やっぱ、どっからどうみても女だな」
「わざわざ確認しなくてもいいだろっ」
キリトは涙目でPoHを睨んだ。
PoHはふむ、と考え込むようなしぐさを見せた。
そして、
「なぁキリト。体に変化はねぇのか?」
「え?体・・・?」
「女の体になってんじゃねぇの?」
そういって、キリトのアーマープレートの下に手を滑らせ、胸をもむ。
「ひゃぁあ!?」
キリトは驚いて変な声を上げた。
PoHは楽しそうに耳元に顔を寄せ、囁いた。
「貴様の体、じっくり調べる必要があるんじゃねぇか・・・?」
甘く低い美声で、そんなことを囁かれたら困る。
「俺の体は、男のまま、だから・・・っ!」
キリトは身をよじってなんとかPoHから離れようとするが、PoHは離すまいとばかりにキリトを抱きしめ、自分のひざの上に座らせるようにしてベッドに腰掛けた。
「確認しねぇと、わかんねぇだろ」
そういってキリトのいろいろなところに手を滑らせる。
キリトはPoHの手つきに体を震わせ、顔を赤くしながらふるふると震えていた。
「おいおい、確認してるだけだろ?」
いやらしくPoHは笑うと、ズボンへと手を伸ばし、股の上からやんわりと揉んだ。
「ひっ!?」
キリトは目を見開き、びくりと震えた。
「hmmm、やっぱ体は男のままか」
「あ、当たり前だろ!?っていうか、PoH、そこだめ・・・っ!」
「何がダメだって?こんなに反応して、震えさせて。女と大差ねェじゃねぇか」
PoHは面白そうにキリトに刺激を与え続ける。
最初こそ我慢していたが、とうとうキリトは、わなわなとこぶしを震わせ、PoHを殴った。
「いい加減に、しろーーーっ!!」
「ッ!」
PoHはベッドの上に上半身を倒れさせた。
「おいおい、なにすんだ」
「なにすんだ、じゃないよ!俺今この装備脱げないって言ったじゃん!」
涙目で講義する俺を見て、納得したようにPoHが呟く。
「あぁ、なんだ。脱げねぇからできねぇって言いたいのか」
PoHがあっさりと言い切ったので、キリトは顔を真っ赤にした。
「おま・・・おまえ・・・」
わなわなと口を開けたり締めたりしていると、PoHがニヤニヤと笑っていることに気付く。
「PoHのヘンタイ!」
「代弁してやったってのに・・・。だが、まぁ」
PoHはそこまで言うと、いちど口を閉じた。
どういおうか迷っている様子で、3秒ほど待っていると、また口を開いた。
「元の貴様のほうが、俺の好みではあったな」
そういうPoHは真面目な顔で、俺はまた顔を赤くした。
「あ・・・う」
言葉にならない声を発した俺は、ベッドに倒れているPoHの上に覆いかぶさった。
「・・・あぁ、もう。PoH大好き」
PoHの首に顔をうずめながらそう言うと、PoHはため息をついた。
「無意識が一番怖いって、マジだな」
そういって、俺の女みたいな長い髪にキスを落とした。
結局、1日経ってからしか装備は解除できなくて、その間PoHに散々遊ばれたのは、言うまでもない。
キリコちゃんとPoHさんが
出会ってしまったようです。
END!
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61500hitのキリリクでした!
ささの葉様リクエストありがとうございました!
キリコちゃんが普通の女の子よりかわいいってどういうことですかね。
天使はどこまでいっても天使って事ですかね。
っていうか私の小説のPoHさんとキリトくんが仲良すぎて笑う。
PoH、おまえ絶対キリト君のこと好きだろう。
酢酸って、PoHキリの自己生産率はきっと全世界で5本の指に入るんじゃないですかね。
あ、もっと上がいるかもしれない。10人ぐらい上がいるかもしれない。
でもほとんどといっていいほどPoHキリないのはなんでなんですかね!
PoHキリはもっと生産されるべき
ありがとうございました!
投稿日:2014.09.26
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