｢こ、これは...｣

昼頃、クラスのグループチャットにて

とある生徒が画像を送った

ふとその画像を、見てみると

あの元ヤンキーが『ヤンキー座り』をしている画像だった

服装は、スーツに革靴、右手には財布
サングラスをかけて、ちらっと金色の腕時計も見える


送ったのは女だった

そのチャットを少し見せよう



みう:画像
みう:なんか不良いる

こーせ:怖っ

(^ω^):もはや誰w

スド:俺だw

(^ω^):ガラ悪w

スド:さくらと偶然会った

亮介:ほんとスーツ好きだな(・ω・　)

スド:私服だからw




ま、こんな感じだ

この画像を見た瞬間
即保存した

｢かっこよすぎるじゃねーか｣

私服がスーツってそんな人いるのか


かおる:そこどこ

(^ω^):俺は知ってる

スド:こーせい達が定期的に、いつも集ってる所

かおる:あー、あそこか

(^ω^):男子諸君らはそれだけで通じる

鯖:行く気か

かおる:いや、俺もそこにいるんだよね

スド:まじ？外？

かおる:店の中、2階



｢ま、まじかよ｣

俺もなんだけど

え、え、
これは行くしかない

多分元ヤンキーは、ショッピングセンターの外にいるはず

因みに俺はかおると同じく、2階
友達と待ち合わせ中だった

まだ1時間ぐらいはある

待ち合わせ時間には早めに着く事が多い

きっとこれも、元ヤンキーに会うためにあるのかもしれない


エスカレーターで下へと降りた

外に出てみると

｢いた!｣

うわー!生だ!!

まるで芸能人に会ったかのような
リアクションだった

にしてもかっこいい

見た感じ、誰かを待っているように見えた
流石にもうヤンキー座りはしていなかった

あとサングラスも外してあった


んんん、話しかけたい

｢でもなー｣

ちょっと見た目が怖いな...

｢お、どうしたの？｣

｢!？｣

いきなり後ろから話しかけられた

｢神崎さんか｣

チャットにいた『さく』だ

｢いや、ありがとう神崎さん｣

感謝します

元ヤンキーを見つけてくれて

｢？｣

無言で軽くお辞儀していまった

｢あ!神崎さんだ!!｣

｢ん｣

突然後ろから、声が聞こえた

｢なんか名前呼ばれた｣

後ろを見ると

｢おっと、かおるだ｣

猛スピードでこっちに向かってくる

｢あー｣

｢じゃあ、ばいばーい!｣

そう言うと、逃げて何処かにいった

｢あ、ばいばーい｣

そして
ちらっとかおるの方をみると

｢行っちゃった｣

｢!!!!!｣

真後ろにいた

距離近っ

｢バスケ部の子は速いねー｣

そう言う割に、そこまで疲れている様子ではなかった

因みにこいつは男だ

｢お前、なんでここにいるんだ？｣

｢いやー、さっきのグループチャットでさ｣

そういや、かおるも2階にいるって
言ってたな

｢それでおちょくりに...｣

｢...冗談でもそんなこと、するなよ｣

殺されちゃう

｢勿論冗談だよ｣

どっちの意味だ

｢君こそ、何しに？｣

｢あ、俺はな｣

生で見たくて...
って言ったら変な奴だと思われる

｢偶然あいつ見かけたんだ｣

｢ふーん｣

そう言って、俺の左の手首を掴んだ

｢え｣

猛スピードで元ヤンキーに向った

あっという間に着いてしまった


｢ちょっ｣

｢ん｣

元ヤンキーが
ちらっとこっちを見た

ｶﾞﾀｶﾞﾀｶﾞﾀ

｢お前ビビリ過ぎだろ｣

｢お、俺!？｣

｢お前以外いねーよ...｣

ぎゃー

かっけー

俺のこと見てる

｢顔赤いぞ｣

｢風邪ー？｣

｢も、元から...｣

駄目だ
段々語彙力が...

頭が弱くなっていく感覚がする

｢それにしても、かっこいいね｣

｢おう、ありがとう｣

わ、ちょっと照れてる

実際はどうか分からないが

｢...｣

｢...｣

｢...｣

え、

かおるが無言で、舐めまわす様に元ヤンキーを見ていた

｢な、なんだよ｣

｢いや｣

｢は？｣

怖っ

｢何がしたいんだよ｣

と、言いながら笑っていた

｢いやー｣

あははと、かおるも笑った

俺もどうしていいか分からず、とりあえず笑った

｢あは｣

｢あ!もう時間が｣

そう言ってかおるは
走っていった

｢...｣

なんなんだあいつ...

｢...｣

ど、どどどうしよう


｢か、かっこいいね｣

なななに言ってんだ
俺

｢お前も、なかなかいいじゃん｣

｢え!!？｣

俺に...!!!!!

かっこいいって...

言ってはないか

｢そ、そう？｣

｢まあ｣

幸せすぎる

｢お前、何でここにいるんだ？｣

｢え、あ!!｣

時間が!!

待ち合わせの30分前だ!

｢じゃあ!｣

｢じゃあな｣

そう言うと、手を振ってくれた

...わ、俺に手振ってる!

かっけー!!