一目惚れってやつ

名前先輩と出会ったのは俺が太刀川隊に入ってすぐの事だ。太刀川さんと何気なく本部を歩いていたら急に太刀川さんが走り出して何事かと思った。慌てて追いかけた先には太刀川さんと抱きつかれてる俺と歳は変わらないくらいの女の人。




「髭痛い痛い!離してよ慶!」


「いいだろー久しぶりのスキンシップ」


「どこがスキンシップ!」


「ぐはっ」




歳上である太刀川さんにタメ口で話すこの人は誰なんだ?太刀川さんキャラこんなだったか?俺は一体なにを見せられているんだ?……輪に入りにくい。とりあえず傍観しようと決めた時、太刀川さんが吹っ飛んできた。思考に入っていた俺は突然来た太刀川さんに驚き声をあげると女の人がこちらの存在に気づいたみたいで目が合った。その瞬間、俺の心臓がドキンとした。




「……慶の隊の子?」


「あ、はい……」


「そっか。ごめんねー?初対面で変なところ見せて」


「あ、いや…別に」




女の人が太刀川さんに近づき胸倉を掴む。傍から見たら不思議な図に俺はまた驚く。こ、怖っ……この人何者。




「けいーそこで死んでないでこの子紹介してー」


「いや、原因名前だろ…」


「いやいやいや!元はと言えばセクハラしてきたそっちじゃない?」




なるほど。だから太刀川さんは蹴り飛ばされたのか納得納得。それは太刀川さんが悪いな。それにしても関係が気になる……彼女とか?その心の呟きに心臓がグサリとなる感覚。




「いたた……あー名前。コイツがうちの隊の出水公平」


「……ども」


「で、こっちが名字名前。今はフリーでちなみに俺の幼なじみな」


「よろしくねー」




出水の2個上だからと付け加えられる。まじか。まさかの歳上だった。太刀川さんの幼なじみかーだからあんな親しいのか。ホッとする。いやいや!なんで俺今ホッとした?まさか惚れた!?確かにさっきから心臓あたりがドキッとしたりグサリとかしたけど一目惚れかよ!?でも確かに可愛いよな……先輩。笑った顔が特に。まさか俺が一目惚れするとは思わなかった。




「慶の部下かー」


「…なんだよ」


「いやー?可愛そうだなって
慶がなんかやらかしたりしたらすぐ言ってね?」


「あ、はい」


「やらかさねぇよ」


「えー?レポートろくに出してないくせに?」




太刀川さんと楽しそうに話す名字先輩。2人とも顔は整ってるから見ているだけで絵になる。お似合いな感じだ。太刀川さんもきっと名字先輩が大事なんだろうってことがなんとなく伝わってきてちょっとだけモヤッとした感じがした。




「ねえねえ出水くん」


「あ、はい」


「出水くんは何のトリガー使ってるの?」


「えっと射手っす」


「そうなんだ!私はねー射手はもちろん色々なトリガーを気分で変えててね今は攻撃手トリガーのレイガスト使ってるんだ」


「こいつこう見えて攻撃手No.1だから」


「そうなんすか…!?」




それは意外だった。いや、失礼だけど。失礼だけど結構のんびりというかマイペースみたいな印象を受けていたからびっくりした。まあ、太刀川さんもこう見えて俺らの隊長だしな…意外な人ほどなるってか。




「だから練習相手欲しくなったらいつでも呼んでね?それじゃあ」




あー今のバイバイの顔可愛かったなと思いながらじーっとその後ろ姿を見つめていた。




「可愛いだろ俺の幼なじみは」


「そうっすね。好きなんですか?」


「…まあな」


「じゃ、ライバルっすね」




はぁっ!?という顔で俺をガン見する太刀川さん。焦りすぎだろと内心苦笑いしつつニヤリと挑発的に笑って太刀川さんを見上げた。




「俺も一目惚れしたみたいなんで…太刀川さんにはまけないっすよ」


「上等だ」




こうして俺の初めての一目惚れが始まった。でも、なかなか踏み込めず可愛い後輩という立場までしか行けないのが現実。それに先輩は太刀川さんが好きだと話すにつれ分かって俺は失恋ルートに進みながらも頑張ってるわけ。いつか先輩にちゃんと気持ちを伝えられる日を夢見て。






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連載番外編ー!
出水の話。出水の口調ってこんなんだっけ?笑
この時主人公は攻撃手にしてみました。
ちなみに狙撃手以外でランキング1はなった事あります。総合も1回だけ。
狙撃手は苦手な主人公なので狙撃手は使いません。ガンガン戦いたいタイプです笑
出水好きなキャラなので出番増やしたいけどいかんせん今は太刀川とのを見守る立ち位置故に難しい…諦めてはいないんですけどね
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