「あれが空閑の息子か」




現在、本部にて会議中。突然城戸さんが会議室にあるモニターでC級のランク戦をやっている遊真の動きを見て呟いた。そこには他にボスと忍田さんと風間さんと私がいた。




「そう空閑遊真。なかなかの腕だろ」


「……風間。お前の目から見てやつはどうだ?」


「……まだC級なので確実なことは言えませんが明らかに戦い慣れた動きです。戦闘用トリガーを使えばおそらくマスターレベル……8000点以上の実力はあるでしょう」


「8000点……!!それなら一般のC級と一緒にしたのはまずかったかもしれんな。初めから3000点くらいにして早めにB級に上げるべきだった。たしか木虎は3600点スタートだったろう?」


「そうしたかったんですけど城戸さんに、文句言われそうだったからなー」




そうそう。私とボス(あと悠一)で話し合ったんだけど城戸さんは絶対に嫌そうだなと一致したから一般隊員と変わらない点数にした。それに遊真の事だからすぐにポイント取って上がれそうだなという意見もあったし。




「……やつはなぜ黒トリガーを使わない?昇格したければS級になるのが一番早いだろう」




ぶちっという音が頭に響いたきがする。城戸さんとはつくづく相性が合わないようで本当にイラッとするな。




「えー遊真が黒トリガー使ったら難癖つけて取り上げる気満々なんじゃないですか?私のときみたいに「入隊は許可したが黒トリガーの使用は許可していない」とか言って。まあ、私の場合は私にしか扱えないんで返してくれましたけど」


「まあまあ真李愛」




ボスに言われたので黙ります。で、それから許可がでないと使えないようにとはなってしまったけど取り上げられるよりましだ。なんせ大事な大事な形見なんだから。お母さんのね。




「……先日訓練室の壁に穴を開けたのも玉狛の新人だそうだな「雨取千佳」」


「あの子はちょっとトリオンが強すぎてね。いずれ必ず戦力になるから大目に見てやってよ」




私は現場を見に行ったんだけど、いろんな意味で凄かった。穴は大きく本部の壁に開いてるし当の開けた本人は怒られるはずなのになぜか鬼怒田さんに気に入られていた。頭まで撫でられてたよ…一応先輩として謝ったけども気にしてないみたいだから大丈夫だと思うけど異様な光景だった。




「黒トリガーの近界民にトリオン怪獣……そいつらを組ませてどうするつもりだ?」


「別にどうもしやしないよ。城戸さんって俺や迅のこと常になにか企んでると思ってないか?チーム組むのもA級目指すのも本人たちが自分で決めたことだ」




ボスは3人がA級を目指す目的を話す。私も入ってから少したった後に教えてくれた。私はもう取り戻すことはできないけど千佳たちには希望はある。あんな絶望を幼いみんなに教えたくない。だから私はみんなに協力したいと思った。




「近界民にさらわれた人間を近界民が奪還する。か……馬鹿げた話だ……近界には無数の国がある。どの国にさらわれたか判別するのは困難だ。そもそも被害者がまだ生存しているかどうか……残念だが救出はあまり現実的ではないな」




ぶち、とまた音がした。あっれーおかしいな。さっき切れたばっかりなんだけど、私の頭大丈夫かな。本当にこの人は私を怒らすのが上手い……本当にこの人は嫌いだ。合わない合わない。




「だから助けに行くのはやめろと?可能性で論じることではないだろう!」


「子供が想像するよりも世界は残酷だという話だ」


「だからって子供の夢や目標を潰すような言いかたはやめてください。それはあなた達大人が決めることじゃない!」


「それくらいにしとけ真李愛」




またボスになだめられて大きくため息を吐いてひじをつく。ボスに言われたので今は黙るけど、まだなにか城戸さんが言ったら私はまた口を挟むつもりでいる。というか挟む気満々だけど。




「でもまあ何か目標があったほうがやる気出るでしょ。救出だろうが復讐だろうが。なあ?蒼也」


「……三輪あたりはそうでしょう……自分は別に兄の復讐をしようとは思っていません」


「お!遠征で少し価値観変わった?」




ボスが驚いたように風間さんを見ているけど、私にはあまり変わってないようにみえたから首を傾げる。




「自分は何も今までと変わりません。ボーダーの指令に従って近界民を排除するのみです」


「真李愛は?八城さんたちの復讐は考えているのか」




ボスがその話を私にふるとは思わなかったので身体が大きく跳ねた。みんなの視線が私に集中していた。もちろん、私の答えは決まってる。




「何を今更……ボスだって知ってますよね?私の敵は慶がとってくれたので考えていませんし、その国と戦う時が来てもボスの命令に従うのみです。復讐に人生を捧げることは許さない。それが母の最後の言葉なので」


「そうか」




決して司令の命令では動かないという意味も込めてボスにしか従わないという言葉を含ませる。城戸さんはピクッと反応したけど気にしない。仕返し。そして、お母さんの遺言。その言葉のおかげで今こうして笑っていれるから感謝している。お母さんはやっぱりお母さん。なんでもお見通しなんだ。




「三輪は先日の小競り合い以降なにやら悩みこんでいる様子ですが……」


「ありゃまどうしたの?」


「へえ……なんだろうな」




近界民を全滅させたいくらい近界民を憎んでる秀次の事だ、この間近界民である遊真を守る私たちに考えさせられことがあったか、なにかあったか……それは本人に聞かないと分からないけど。




「どもども遅くなりました実力派エリートです」


「よし揃ったなでは本題に入ろう。今回の議題は近く起こると予想される……近界民の大規模侵攻についてだ」




そうだ。今日はこのために呼ばれたんだ。今度は絶対に自分が守りたいものを守る。自分の命をかけてでも守る。今は守りたい人がいっぱいできてしまったけど、その分気合いが入るってもの。だけど、モニターに映る…駿と修が戦ってる。まあ、どうせ悠一大好きな駿のことだから修に嫉妬してるんだろうなと思ったら今度は遊真。会議よりもそっちが気になってしまうのは戦闘好きの性だよね。みんなも、気付いたみたいで会議中断。そして、遊真と修を連れてくる流れに。悠一が早速迎えに行ったので私は待機。場所を移動しさりげなく風間さんと秀次(遅れて参加した)の間を確保。秀次になんか睨まれた。なにをしたっていうんだ。というか秀次本当に顔色悪い。




「失礼します」


「遅い!なにをモタモタやっとる!」


「いやーどうも」


「またせたなぽんきち」


「なぜおまえが居る!?」




悠一が修と遊真になぜか雷神丸に乗って陽太郎もやってきた。いや、本当になぜ陽太郎がここに来たの……まだお子さまには早いと思うんだけど、物怖じしない態度はさすがというべきなのかな。




「陽太郎!陽介はどこいったの?」


「かれはよくやってくれました」




つまり、陽介を放ってきたと。今頃陽介は陽太郎を探してるんじゃ…?まあ、大丈夫か!




「時間が惜しい。早く始めてもらおうか」




陽太郎のセリフに色々突っ込み所は多かったけど、城戸さんは全く動じずに話を進めてくる。ある意味さすがと一応は褒める。




「我々の調査で近々近界民の大きな攻撃があるという予想が出た。先日は爆撃型近界民一体の攻撃で多数の犠牲者が出ている。我々としては万全の備えで被害を最小限に食い止めたい。平たく言えばきみに近界民としての意見を聞きたいというこだ」


「…………」


「秀次」




近界民の手を借りるなんてと嫌悪感丸出しの秀次の顔が見えないけど雰囲気で感じたの声をかけるけど、秀次の耳には入っていないのか無視してるのか雰囲気は変わらない。なので諦めて話しに集中する。




「ふむ。近界民としての意見」


「近界民にいくつもの国があることはわかっとる。いくつかの国には遠征もしとる。だが、まだデータが足らん!知りたいのは攻めてくるのがどこの国でどんな攻撃をしてくるかということだ!おまえが近界民側の人間だろうがなんだろうがボーダーに入隊した以上は協力してもらう!」


「なるほど。そういうことなら俺の相棒に訊いたほうが早いな。よろしく」


『心得た
はじめまして私の名前はレプリカ。ユーマのお目付け役だ』




レプリカが姿を現す。みんなは初めて見るそれに驚きを隠せない様子。私も初めて会ったときそうだったし。といっても、私もそこまでレプリカと話したことはないんだけど。




「なんだこいつは……!?」


『私はユーマの父ユーゴに造られた多目的型トリオン兵だ』


「トリオン兵だと……!?」


『私の中にはユーゴとユーマが旅した近界の国々の記録がある。おそらくそちらの望む情報も提供できるだろう』


「おお……!」


『だがその前に……ボーダーには近界民に対して無差別に敵意を持つ者もいると聞く。わたし自身まだボーダー本部を信用していない。ボーダー最高責任者殿には私の持つ情報と引き換えにユーマの身の安全を保証すると約束して頂こう』




なるほどね、遊真のサイドエフェクトがある限り遊真の前では嘘をつけない。だからレプリカは城戸さんに聞いたのだろうね。城戸さんがそれを知っているのかは知らないけども。




「…………よかろう。ボーダーの隊務規定に従う限りは隊員空閑遊真の安全と権利を保証しよう」




少し間が空く。遊真から何も言葉を発さないということは城戸さんは本当に思ったことを言っている。嘘はついていないということになる。




『確かに承った。それでは近界民について教えよう。近界民の世界……すなわち近界に点在する「国」はこちらの世界のように国境でわけられているわけではない。近界のほとんどを占めるのは果てしない夜の暗黒でありその中に近界民の国々が星のように浮かんでいる。
それらの国々はそれぞれ決まった軌道で暗黒の海を巡っておりユーマの父ユーゴはその在り方を「惑星国家」と呼んだ』


「「惑星国家」……!?」




惑星国家……その惑星国家はたくさんの国があるんだろう。その中に必ず千佳やみんなが探す国があるはずなんだけどそれを絞るのは数が多すぎてまだまだ難しいね。




『太陽をまわる惑星の動きとは少々異なるが惑星国家の多くはこちらの世界をかすめて遠く近く周回している。そしてこちらの世界と近づいた時のみ遠征船を放ち門を開いて侵攻することができる「攻めて来るのどこの国か」その問に対する答えは「今現在こちらの世界に接近している国のうちのいずれか」だ』


「そこまではわかっとる!知りたいのは「それがどの国」か!その「戦力」!その「戦術」だ!」


『どの国がそうなのかを説明するにはここにある配置図では不充分だ。私の持つデータを追加しよう。リンドウ支部長』


「OKレプリカ先生。宇佐美よろしく」


「あいあいさー」




栞が持っているパネルをいじると、さっきまでずっと表示されてあった配置図がさらに精密に分かりやすく国の数が増えていく。くらべものにならないくらいだ。




『これがユーゴが自らの目と耳と足で調べ上げた惑星国家の軌道配置図だ』


「さすが有吾さんだな……」


「さっきと比べ物にならない……!」




鬼怒田さんが嬉しそうな顔をしている。これは、遠征が何十回分くらいの価値があるもんね。それがものの数秒で増えたのだから相当嬉しいはず。




『この配置図によれば現在こちらの世界に接近している惑星国家は4つ。
広大で豊かな海を持つ水の世界海洋国家リーベリー。特殊なトリオン兵に騎乗して戦う騎兵国家レオフォリオ。厳しい気候と地形が敵を阻む雪原の大国キオン。そして近界最大級の軍事国家神の国アフトクラトル』


「その4つのうちのどれか……あるいはいくつかが大規模侵攻に絡んでくるというわけか?」




4つもあるのかーしかもどれも厄介そうな国。でも、戦ってみたいなーという気持ちもある。ただ、これは模擬戦ではなくて人が亡くなる可能性だってある戦争なのだからそこはちゃんと区別はする。




『断言はできない。未知の国が突然攻めてくる可能性もわずかだがある。また惑星国家のように決まった軌道を持たず星ごと自由に飛び回る「乱星国家」も近界には存在する』


「細かい可能性を考え出したらキリがないな」




乱星国家なんてのもあるんだ。乱星国家は情報がないのかーそりゃそうか。いつどこに現れるのか分からないものを調べるのは無理な話。だから情報がないからかなり厄介で来てほしくない。




「話を戻しましょう。先日の爆撃型トリオン兵と偵察用小型トリオン兵。あれらを大規模侵攻の前触れとして対策を講じるという話だったはず」


「それだったら確立が高いのはアフトクラトルかキオンかな。イルガー使う国ってあんまりないし……ていうかそういうの迅さんのサイドエフェクトで予知できないの?どこがくるとか」


「おれはあったこともないやつの未来は見えないよ「近々何かが攻めて来る」ってのはわかってもそいつらが何者かはわからない」


「ふむ……なるほど」




サイドエフェクトはそこまで有能じゃないってこと。嘘がわかったり、未来が見えたり、身体能力が向上したり。ちょっとした能力程度。超能力には届かないんだろうね。




「今はひとまずその2国が相手と仮定して対策を進めよう。次に知りたいのは相手の戦力と戦術。特に重要なのは敵に黒トリガーがいるかどうかだ」


『我々がその2国に滞在したのは7年以上前なので現在の状況とは異なるかも知れないが私の記録では当時キオンには6本。アフトクラトルには13本の黒トリガーがそんざいした』


「そんなに……!」




は、そんなに!?私たちの倍以上の黒トリガー保有数じゃないか。そんなに来たらこっちは対処しきれないよ。いくら強かろうが黒トリガーに対応できるのは同じ黒トリガー。それはこの間の戦いでも証明された。




『しかし黒トリガーはどの国でも希少なため通常は本国の守りに使われる。遠征に複数投入されることは考えづらい。多くても一人までだろう。また遠征に使われる船はサイズが大きいほどトリオンの消費も大きい。攻撃には卵にして大量に運用できるトリオン兵を使い遠征の人員はできる限り少数に絞るのが基本だ』


「つまりいずれにしろ敵の主力はトリオン兵で人型近界民は少数だということだな」


『現在の情報ではそうなる』




その言葉にほっとする。1本でも厄介なのに何本も使い手が現れたら大変だ。とくに、こちらは市民を守らなきゃいけないので市民を盾に取られることだってあるからね。




「では人型近界民の参戦も一応考慮に入れつつトリオン兵団への対策を中心に防衛体制を詰めていこう。三雲くんきみは爆撃型と偵察型両方の件を体験している。なにか気づいたことがあったらいつでも言ってくれ」


「は、はい!」


「遊真くんたちには我々の知らない情報の補足をお願いする」


「了解了解」




遊真が呼ばれた理由は分かっていたけど修が呼ばれた理由はそういうことか。今更それに気づいた……そういえばそうだった。




「真李愛も、きみの力を借りるときが来るはずだ。覚悟しておいてくれ」


「いつでもどうぞ」




戦闘での使用は禁止するとは言われたけど鍛錬で使っちゃだめなんて言われていないので玉狛で密かに鈍らないようにトレーニングはしている。だからいつでも準備万端!




「さあ近界民を迎え撃つぞ」




会議は終了した。まだアフトクラトルとは決まってないし黒トリガーくるかも分からないけど13本か……かなりこっちが辛いけどちょっと黒トリガー使いと対戦したいなとか思ったり。でも、守りたいものが危険な時にはそっちを優先は当たり前。




「風間さん」


「八城。珍しいなお前が普通に話しかけるなんて」




意外そうな顔(といっても表情豊かな人じゃないからなんとなくだけど)をしてこちらを振り向いた風間さん。それにちょっとむすーとした顔をして返した。




「私だっていつも抱きつくわけじゃないですよー……「風刃」候補辞退したんですって?」


「……迅か」


「教えてくれました。なんでですか?せっかくの黒トリガー……悠一のだったから?」




首を傾げて聞いてみるも、表情は一切変えずに風間さんは口を開いた。




「お前に教える義理はない」


「けちー」


「けちでいい」




またむすーとしたらふっと笑って風間さんが私の頭を撫でてくる。頑張って(これはいらないか)最近頑張って頭を撫でてくるのはなんでだろうか。凄く幸せだからいいんだけどね。




「……風間さん」


「なんだ」


「最近、やたら私に優しいですよね。前はあんまりというか、軽く流してたのに」




単純な疑問。なんか昔から優しかったは優しかったんだけど一線を引いているというか…自分からは触れてくる人ではなかった。




「そうか……ならそれは太刀川のせいだな」


「慶?どうして慶なんですか?」


「……」


「風間さん?」


「……いや、やめとく」


「気になります……」




あれだけ引っ張っといて言わないのはすごく気になる。なにを言おうとしたの?何をそんなに躊躇っているのか。




「諦めろ」


「むー」


「…じゃあな」




また、風間さんは頭を撫でて行ってしまった。ちょっと嬉しくてニヤニヤしていると、前から私とは違う意味のニヤニヤをした悠一がやってきた。あの顔絶対に見たな。むかついたので1発だけ殴っといた。




「真李愛せんぱーい!」


「駿?」




悠一を殴った直後に忠犬ハチ公を思い出させるくらい尻尾をぶんぶん振った犬にみえた駿が走ってやってきた。あれ、錯覚かな。




「やっほー迅さんもさっきぶり!」


「おっす」




悠一をキラキラとした目で見つめている駿に思わず可愛くて笑みがこぼれる。憧れるのはいいけど、悠一みたいな変態にはならないように。




「で、駿。どうしたの?」


「模擬戦やろ!」


「さっき、遊真にボロ負けしてたね」


「見てたの!?」




ちょっと恥ずかしそうに頭をかく駿が可愛いから付き合ってあげたいけど。申し訳ない顔をして口を開く。




「うん。付き合いたいのは山々だけど学校の課題残ってるんだよね」


「えー一戦だけしようよ!」


「うーん」


「お願い真李愛先輩!」




駿に子犬のような目で見られては断りにくい。こいつ、自分の武器をフル活用してる。あれぜったいわざとだ。でも、可愛い。断れない。




「一戦だけだよ?」


「やったー!」




あまりにも嬉しかったのか私の周りをぐるぐる回る。君、これからごっそりポイント取られるのに喜んでいいのかと内心複雑な気分。




「じゃ、俺は先に帰ってるぞ」


「先輩は俺が送っていくから!」


「大丈夫だよありがとう。気持ちだけ受け取っておくね」




駿の頭を撫でる。いくら男の子でも中学生になったばかりの子に送ってもらうほどか弱くない。同い年だったら別だけどね。




「ほらほらー真李愛先輩いこ!」


「はいはい」




訓練室へと入室して模擬戦を始める。その後一戦だけだったはずが私に勝てない駿がさっきの子犬の眼差しで見つめられて三戦くらいするはめになった。結局、私の勝ちだったけど。それからすぐに玉狛に帰宅して宿題に手をつけた。もちろん、徹夜だったのは言うまでもない話。



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