駄ン文ロンパ114
2015/07/25 06:00

【傍若無人! 左右田様】


左右田「時にハムスターちゃんよう」

田中「ハムスターちゃんと呼ぶな。で、何だ?」

左右田「ハムスターちゃんってエロ本とか読むの?」

田中「だからハム……はぁっ!?」

左右田「ハムちゃんってエロ本とか読むの?」

田中「ハムちゃんではない! いや、そんなことより貴様っ! な、何て質問を、こっ、こここの俺様にっ!」

左右田「こっ、こここの俺様ってエロ本とか読むの?」

田中「噛んだところまで忠実に再現するなぁっ! あと俺様は『ハムスターちゃん』でも『ハムちゃん』でも『こっ、こここの俺様』でもなぁあああいっ!」

左右田「……」

田中「はぁ……はぁ……」ぜぇぜぇ

左右田「で、エロ本とか読むの?」

田中「 」

左右田「読むのか」(確信)

田中「おぉぉおいっ! 勝手に確信するなぁっ!」

左右田「無言は肯定だって狛枝が言ってた」

田中「彼奴潰す」

左右田「やっぱり調教系が好みなのか」

田中「やっぱりとは何だやっぱりとは! 大体まだ何も言っていないのに言い切るな! 疑問符を付けろぉっ!」

左右田「SM系か」(確信)

田中「だから勝手に確信するなぁああああああああっ!」

左右田「……」

田中「はぁ……はぁ……」ぜぇぜぇ

左右田「興奮してるのか?」

田中「貴様の所為でな!!!」

左右田「!? 犯される!?」

田中「ちっがぁああああああああうっ!」

左右田「調教されるのか」(確信)

田中「だっかっらぁっ! 確信するなと言ってるだろうがぁああああああああっ!」

左右田「……」

田中「はぁ……はぁ……げほっ……」ぜぇぜぇ

左右田「大丈夫か? 何か疲れてるみてぇだけど」

田中「あぁ! 貴様に憑かれているんだよ!」

左右田「ところでエロ本って何処にあんの?」きょろきょろ

田中「無視か! というかある前提で話を進めないでくれませんかねぇっ!」

左右田「ベッドの下か」がさがさ

田中「や、やめろォッ!」

左右田「本発見!」ばばーんっ

田中「あっ、ちょっ、やめろ! それは俺様のではなくて花村が勝手に押し付けてきたやつで!」がばぁっ

左右田「緊急回避」しゅばっ

田中「メカニックの癖に素早いな此奴!」ずざーっ

左右田「ふっふーん。さぁて、田中眼蛇夢君の所持する魔界から出でし官能的魔本の中身はなんじゃらほい」ぺらっ

田中「厨二語真似するな! って、捲るなあぁっ!」

左右田「……」じーっ

田中「いや、だから、花村がな、花村が……」あわあわ

左右田「……」ぱたんっ

田中「……」だらだら

左右田「……」ふっ

左右田「大丈夫、俺、ゲイとか、差別しないし」にっこり

田中「ならこっち見ろよ! 俺様の目を見ろよ! お前明後日の方向見てるじゃないか!」

左右田「厨二病キャラ崩壊してんぞ」

田中「知るかバーカ! そんなこと気にしてる余裕ないんだよ馬鹿!」

左右田「つまり余裕が無くなるくらいガチってことか」

田中「誤解されるのが怖いんですぅううううううううっ!」

左右田「ははは、そんな謙遜するなよ」

田中「何をどう捉えたら謙遜に聞こえるんだ!? 貴様の耳はどういう構造をしているんだ!」

左右田「耳介や外耳道で音を拾い集め、音により振動する鼓膜の動きを耳小骨を用いて蝸牛の中へと」

田中「そ、そんなに詳しく説明しなくても良い!」

左右田「聞かれたら答えたのに何だよ!」くわっ

田中「えっ、ごめんなさい……」

左右田「全く……」ごそごそ

田中「っておおおおおおおおいっ! 貴様は何をしているんですかぁああああああああっ!?」

左右田「えっ、まだあるかなって」がさごそ

左右田「あっ、何かある」

田中「もうやめぇええええええええいっ!」がばぁっ

左右田「緊急回避」しゅばっ

田中「インドアな才能の癖に素早いな此奴!」ずざーっ

左右田「ふっふーん、時既に遅し」ぴらぴら

田中「ああああああああっ! いや、それは、それはだなぁっ!」あわあわ

左右田「ん? まさかこの本はマジでお前の本?」

田中「え、あ、いや、その」だらだら

左右田「御開帳」ぺらっ

田中「ああああああああっ!」がばぁっ

左右田「……」しゅばっ

田中「読みながら避けた!? つなぎ服の癖に素早いな此奴!」ずざーっ

左右田「……」ふっ

左右田「田中、お前がガチのケモナーでも、俺はずっとお前の友達だからな」にこっ

田中「ちがっ、それは表紙に騙されて、ちがっ、あ、うぁぁ……」わなわな

左右田「にしても擬人化皆無のガチ獣姦とは……上級者だなぁ……」まじまじ

田中「ちが……うぅっ……」ぐすっ

左右田「……」ぺらっ

田中「うっ……」ぐすっぐすっ

左右田「……」ぺらっ

田中「……」しくしく

左右田「おー……」ぺらっ

田中「……貴ッ様ァッ! 人が泣いてんのに獣姦本に夢中になってるんじゃなぁああああああああいっ!!!」

左右田「何だ、まだ叫べる余裕あるじゃねぇか」ぺらっ

田中「御陰様でな!」

左右田「いやぁー……にしてもこれ……すげぇな……」ぺらっ

田中「しつこいな貴様! もう良いだろ、返せ!」

左右田「えっ、表紙に騙されて買ったんじゃないの?」

田中「え、いや……まぁ、そうだけど……」おどおど

左右田「じゃあ要らないよな?」

田中「あ、えっ……そ、そりゃまぁ要らないけど……でもお金払ったし、勿体無いかなって……」おどおど

左右田「じゃあ俺が買い取る」

田中「えっ」

左右田「勿体無くないだろ? 要らないんだから」にこっ

田中「あ……え……」

左右田「……」にこにこ

田中「……」

左右田「……」にこにこ

田中「……さい……」

左右田「ん?」にこにこ

田中「ごめんなさい……俺様、嘘吐きました……」しくしく

左右田「そうかそうか、どんな嘘吐いたんだ?」

田中「ゲイ本を花村に押し付けられたのも、表紙に騙されて獣姦本買ったのも……本当なんだ……」しくしく

左右田「うんうん」

田中「でも、獣姦本を要らないって言ったのは……嘘なんだ……」しくしく

左右田「読んでる内に気に入っちゃったんだな」

田中「はい……」しくしく

田中「でも、超高校級の飼育委員なのにっ……こんな、こんな邪な感情を抱きながらっ、動物達に接するの、悪いことだと思ったからぁっ……」ぐすっぐすっ

田中「たから、ずっと隠してて……でも捨てられなくてっ……もう、どうしたら良いのか判らなくって……」ぐすっぐすっ

左右田「うんうん、お前なりに色んな葛藤があったんだな」

田中「うんっ……」ぐすっ

左右田「そんな田中にとある言葉を授けてやろう」

田中「えっ……?」ぐすっ

左右田「……」ふっ

左右田「二次元と現実は別物なんだよ!!!」くわっ

田中「!?」

左右田「田中、お前が動物に対して申し訳なく思っているのは判った。でもな、それは現実の動物じゃない。本だ、二次元だ、想像空想妄想の世界の動物だ。現実の動物達と重ねちゃ駄目だ。現実の動物達に失礼だ」

田中「しつ、れい……?」

左右田「だってそうだろ。現実に居る動物じゃないのに、まるで存在しているかのように思い込んでさ。肉欲に塗れた虚像の動物達と現実の動物達を同一視するなんて、現実の動物達に失礼だろ」

田中「た、確かに……」

左右田「だろ? だからな田中、割り切れ。これはこれ、それはそれ。獣姦は獣姦、動物は動物。虚像は虚像、現実は現実って割り切れ。そうすりゃお前は――」

左右田「賢者になれる」

田中「そ、左右田……!」

左右田「因みに俺は機械姦が大好物だぜ。勿の論で現実の機械は一切穢してないし、同一視もしていない」きりっ

田中「おぉ……割り切れているのだな」

左右田「そうだぜ田中、割り切っちまえば何も怖くないんだ」

田中「……俺様も、左右田のようになれるのだろうか……?」

左右田「なれるのだろうかじゃない、なるんだよ」

田中「そ、左右田先輩……!」




 謎の友情を紡いだ彼等は、禁じられた新たな世界を開いていくのであった。



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