大嫌いな誕生日
初めてヴァリアーに来た時の事は昨日の事の様に覚えてる
ジルをズタズタに切り刻んで、城に居た奴らを動かない塊にして俺は初めキレた
興奮は中々収まらなくて、退屈なこれまでの日常に飽きた俺は噂で聞いた事のある暗殺部隊を思い出した
暗殺を仕事とする場所、如何なる任務でも成功させる部隊
そこなら俺を満足させてくれるかもしれない
そう思ってまだ幼かった俺は独立暗殺部隊ヴァリアーの扉を叩いた
煩いロン毛に鼻たれの赤ん坊、オカマにムッツリ
とんでもない馬鹿な部隊に来ちまったって後悔も最初だけで真ん中に偉そうに座る男
紅い、鋭い目つきに身体が痺れた
きっと、この人が王様だ
そう思った
『……悪くねぇな』
『ボス…王子を此処に入れてよ』