甘酸っぱい季節




春が近づいてきた


突然何かを始めたくなる
誰かと出逢って、別れる

そんな季節



大分暖かくなって厚手のコートの出番は無くなってきて

最近は庭の花壇が彩られ始め少しずつでも着実に冬から春に向かって走り出している

今日は凄く暖かい
テレビで流れていた天気予報では初夏の気温だなんて言っていた

俺からしたらじゃあ春は何処に行ったんだって思うんだけど、やっぱり心なしか肌寒く感じる辺りが春なのだろう



「ゔぉぉい、ベル、お前報告書ボスに出したのかぁ?」

「帰って来てすぐ出した」



談話室のソファーを丸々一つ陣取って寝そべっていると鬱陶しい位長い白銀の髪を靡かせて現れたのは歳の割には落ち着きがない、事実上ヴァリアーのナンバー2



「あのさ、俺が任務に行く度同じ事聞くのやめてくんね?」

「テメーがしっかりしねぇからだろうがぁ」

「スクアーロよりはしっかりしてるっての」



スクアーロとの付き合いは結構長い
俺がヴァリアーに入った時にはもう居てそれからの付き合いだから、かれこれ十年ちょっとの付き合いだ

それからというものスクアーロは目立った恋愛騒動もなく(出逢いが無いだけかもしれないけど)ボスの野望の為に仕事ばかりしている



「スクアーロそんなんだから女出来ないんだよ」

「ゔぉい、これでも結構モテてるぞぉ」

「自分で言うなし」



ってかそうかモテてんのか

そりゃそうだよな、煩い所抜けばカッコイイもんな




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