こころのかさぶた
スクアーロと付き合い始めて1ヶ月が経つ
そんな俺は数時間前、頭をハンマーで強打される様な衝撃的なモノを見ただった
「意味分かんね、何アレ」
「ま、まぁベルちゃん、紅茶でも飲んで落ち着きなさいな」
淹れて貰った紅茶を飲みながらドルチェに手を伸ばす
困った様な顔をしながら俺の向かいに座るルッスに愚痴を零したのがついさっき
いつもなら誰の事でも大体はフォローするのに言葉が見つからないのか中々口を開かない
「…見間違い、はないのかしら?」
「あんなロン毛、そうそう居るかよ」
「確かにそうね」
「あのカス鮫、サボテン決定だな」
「でも、ほら、何か事情があるかも知れないじゃない」
「事情ねぇ…嵐部隊の女隊員と手繋いで歩いて、高級ジュエリーショップで買い物、カフェでお茶。アジトには別々で帰って来る…」
完璧、有罪じゃね?
「…やっぱり見間違いよぉ」
「だから、それはねぇつーの」
「スクアーロに直接聞けば分かるわよっ」
「ばーか。直接聞いたって隠すに決まってんじゃん」
「勘違いって事も有るかも知れないじゃない」
「どこをどう勘違いしてるってんだよ?」
俺の問いにただ唸るだけのルッス
此処でこんな事してたって時間の無駄だ
俺だって明日は任務がある
残っていた紅茶を飲み干してテーブルに置いて立ち上がれば必然的に(座っていたルッスに)上目遣いで見つめられた
「…全然可愛くねぇけど」
「失礼ねっ!!」
やれやれとでも言いたそうにため息を付いてから改めて向き直られた
「あんまり考え過ぎちゃダメよ?」
「別に。深く考えてねぇよ、ただムカつくだけだし」
俺の頭を撫でようとするルッスの手を避けて自室に向かう
自室へと続くいつもの廊下がとてつもなく長くて冷たいモノに感じた