ある寒い日の事





「ボース、これ今日の報告書っ」
「…帰ってやがったか」
「ついさっきね」
「…鼻」
「んぁ?何?」
「鼻があけぇ」

「あー、外スッゲー寒かったから。ほらっ、手もつめてーし」
「…んな冷てぇ手で触んな、冷えるだろうが」
「うわー、ボスに拒否られた。王子まじショック」

「はっ、ショックでも何でもねぇだろうが。何言ってやがる」
「いや、ちょいちょいショック受けてるよ。王子ボスの事好きだもん」

「…(悪い気はしねぇ)」
「ボス?」
「ベル、来い」
「え、でも…」
「るせぇ。二度言わせんな」

「…はーい」

「体…冷えてんな」
「んな冷たい?」
「冷てぇ。さみぃのか?」

「んー、でもボス温かいから。このまま暫く抱きしめててくれんなら平気」

「…暇じゃねぇ」
「んじゃ王子凍え死ぬ。」
「勝手に言ってやがれ」

「えー。ボスのケチー。でもまぁ王子もこの後マーモンとゲームする約束してっからもう行かなきゃ」

「…んなモン知るか」
「へ?」
「此処に居やがれ」
「だってさっき…」「一番あったけぇだろうが」
「まぁそうだけど、でもマーモン…」
「テメーの返事は一つしかねぇ」
「…」

「此処にいろ」
「Si」



......

(…おい、ベル)

(…)

(寝やがったか)




ある寒い日の事

(一番暖かくて落ち着く場所)




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