昔々、あるところに、かわいいお姫さm
「姫じゃねえし、王子だし」
…気をとりなおして、
昔々、あるところに、かわいい王子様がいました。
王子様はお城の近くの泉のほとりで
マリ投げをするのが大好きです。
「俺別に好きじゃねーし。てか一人で投げて遊べっつー訳?」
ところがあるとき、投げた金色のマリが泉の中に転がり、そのまま沈んででしまいました。
「ん、何それカンペ?それ読めばいいの?『ああ、どうしよう・・・』」
沈んでいく金色のマリを見て、王子様はシクシクと泣き出しました。
「ししっ、俺が泣く訳ねぇじゃん」
「泣いたりして、どうしたんですかー?可愛いお姫様ぁー」
「泣いてねぇし姫じゃねぇ」
「うわー、ルックルック、ナイフがグッサリ刺さってますー」
なんと、泉の中からみにくいカエルが呼びかけてきたのです。
「誰が話進めてっかしらねぇけど少しは突っ込めよ」
「何でだろー涙出てきたー」
「心の涙だろ」
王子様はちょっとビックリしましたが、カエルに言いました。
「『大切な金のマリが、泉の中におちてしまったの』」「もうちょっとまともに読んだらどうですー?」
「うっせ、さっさと次読め」
「『そうですかー。では、私がひろってきてあげましょう。でもそのかわり、私をお友だちにして、一緒にご飯を食べたり、一緒にベッドで寝かせたり、一緒に気持ちくなれる事をしてくれますかー?』」
「余計な言葉加えんなよ」
「ちゃんとカンペに書いてありまーす」
「うそつけ『ええ、いいわよ』」
「王子様なのに『いいわよ』ですかー?」
「だってカンペの字変えてくれねぇんだもん」
王子様はカエルと約束しました。
でも、カエルと友だちになるのはいやなので、王子様はカエルがマリをひろってきてくれたとたん、マリを持ってお城に走って帰りました。
「ベルちゃん、フランちゃーん、おやつ出来たわよー!」
「ん!食うー」
「今行きまーsカエルは残って下さい。
「ちぇーっ」
次の日、王子様がみんなと食事…おやつを食べていると、だれかが戸をたたいて呼びました。
「堕王子ー、戸開けてくださーい」
「堕王子様じゃねぇっての!…っ!お前何リアルなカエルになってんの」
「さぁー、ミーもさっぱり」
王子様が戸を開けると、そこには、あのカエルがいたのです。
「おい、ベル。何してやがる?」
お父さんの王様に聞かれて王子様、外にマリをひろってくれたカエルがいて、そのカエルとお友だちになることを約束してしまったのだと話しました。
すると、王様は言いました。
「相手がカエルでも、テメーが約束したことはテメーで何とかしやがれ」
「でも…つか何でボスが王様な訳?よくこんな下らない企画引き受けたね」
「ああ"?」
「何でもない」
そこで王子様は、いやいやながらもカエルを部屋の中に入れると、一緒にご飯を食べて
自分の部屋につれていきました。
するとカエルは、一緒にベッドで寝たいと言い出したのです。
「ちょっ、カエルのクセに生意気!」
「約束は約束ですよー!」
「纏わりついてくんな馬鹿!リアルなカエルなんて気持ちわりぃんだよ!」
「いいじゃないですかー、ミー達ラブラブでしょー?」
「ひっ!ちょっ、変なトコ触んな」
「気持ちいくせにー」
「っ、ふざけんなっ!この変態ガエル!!」
王子様はすっかり怒ってしまい、カエルをつまみ上げる、力いっぱい壁に叩きつけたのです。
ところが、カエルは下におちたとたん、やさしい目をした王子様に変わったのです。
「あ、戻ったじゃん
」
「もうちょっと加減して下さい、痛いですー」
「リアルなカエルに迫られるこっちの身にもなれし」
カエルは、悪い魔女に魔法をかけられていた王子様だったのです。
王子様はカエルの王子様と仲良くなり、結婚して幸せに暮らしました。
「て訳でベル先輩ー、結婚しましょー?」
「……かっ、考えといてやるよ」
めでたしめでたし
.....
(というか何でミーは幻術まで使ってカエルにならなきゃいけないんですかー。その上投げられるしー)
(話の展開上仕方ねぇだろ、しししっ、いい気味)
(まぁ無事に呪い解けて美しい王子になったんですから一変やりますか)
(やらねーよ!)
カエルの王子様
(もしもし『カエルの王子様』をベル受けでリアルにやったら)