サンタクロース見ぃつけた





床にツリーのライトが反射していた
カラフルに光ってる
何となく寒々しく見えた


痛く、ない…



「っ、大丈夫かぁ?」
「え、あ、ありがと」
「ったく」


倒れた俺を先生がギリギリで受け止めてくれたらしい
俺の下に呆れ顔の先生が居た
先生との距離がなんだか心臓に悪くて腕から抜け出そうとする

でも、離してくれない


「先生?」
「2人の時はスクアーロって呼べぇ」

「…スクアーロ」
「ん゙?」
「離して」
「ちょっとだけこのままで居させろぉ」


フローリングにペタンと横になって後ろから抱きしめられる
冷たいフローリング
温かい先生の体
接している所が熱くなっていくのが分かった
顔が見えなくて少しだけ不安になる

先生、何で抱きしめてくれんの?


「ゔぉぉい」
「なに?」

「好きだぁ…ベル」
「え…」


ギュッと更に強く抱きしめられる
ドキドキと鳴る先生の心臓の音が背中越しに聞こえた

好き、好き…
先生が、俺を?


「聞いてんのか?」
「…嘘」
「好きだぁ」
「だって、俺みたいな奴、面倒だし」

「でも好きだぁ」
「…俺生徒だよ」
「だなぁ」
「だなぁって…」

「好きになっちまったんだからしょうがねぇだろ」


好き、好きと何度も囁いてくる先生
吐息が掛かる耳が擽ったい
何だか心もポカポカして擽ったい

これって…


「スク…」
「んん゙?」


本当に?
信じていいの?


「俺も…スクアーロ、好き」
「…」
「好き、大好き」
「おぅ゙、知ってる」
「なっ」

「何となくお前の視線で分かったぞぉ」
「んな見てない!自意識過剰!!」


体を反転させてスクアーロの胸を叩いたら背中に腕を回されて頭を撫でられた


「でも、俺の負けだなぁ」


で、留めの一言を食らって動けなくなったのだ


「お前に初めて逢った時、ビビッときた」


一目惚れってこういう事言うんだなぁ





暫く硬直して動けなくなった俺は大人しく先生に頭を撫でられたままだった











その数時間後、日付を超えて満足した先生にまた振り回され
文句を言いながら飾ったばかりのツリーを片付ける事になるのだ






サンタクロース見ぃつけた

(愛【プレゼント】をありがとう)



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