『よき冬のすごしかた』をお読みいただき、ありがとうございました。
あとがきを書くのも久しぶりになってしまっています。以下反省点などを並べてぐだぐだと喋っておりますが、お付き合いいただける方はスクロールをお願いいたします。
なお、このあとがきはVer2.0あたりまでのネタバレを含んでいます。
10で初めてまともな(?)一つの作品を書くのがミシュアになるとは、書いた本人も想像していませんでした……。
ミシュア可愛いですよね。アンルシアも可愛いですよね。書こうと思ったきっかけはそういうことです。金髪ミシュアと勇者姫アンルシアは同じ人間だけれど、内面的には違うのかなと考えています。
具体的に言うのはちょっと難しいのですが、根本的な部分は同じで、勇者姫には勇者姫にしかない強さがあるというか。トラウマを乗り越えているのだから当然なのですが、そういう部分もあってミシュアと勇者姫アンルシアは別物と考えています。なので作中の「ミシュア」は、私が個人的に考えるミシュアです。金髪ミシュア=勇者姫アンルシアでしょ? と考えている方には、少し違和感のあるミシュアだったかなあと思います。
一応このお話のメインテーマは「女の子同士のほのぼのした生活を書こう!」だったので、四話あたりまでの雰囲気からほのぼのを感じ取っていただけたならとても嬉しいです。個人的に私はほのぼのを書くセンスが皆無なので「こんな感じでいいのか?」と手探りでしたが、書いている間非常に楽しかったです。女の子同士の生活……良き……
(色々と言葉足らずで分かりにくいお話だったと私自身も認識していますので、ここからちょいちょい補足しながらになります)
時間軸は偽りのメルサンディのストーリー終了後に取っています。偽物の世界といえど季節は巡るだろう、そして小麦が名産な土地なので、冬に季節を設定しました。小麦あんまり関係ないな。
偽りのメルサンディ終了後なのでミシュアはすでにメルサンディを発っています。本来の「ミシュア」は、最終話にのみ登場する黒髪のミシュアです。それまで出てきていた金髪ミシュアは残像、もとい夢主の作り出した妄想上のミシュアということになります。
ここが伝わっていればもういいやみたいな気持ちになっていますが、伝わりましたでしょうか。一話〜四話の流れでだんだんと気持ち悪くなっていき、最終話で金髪ミシュアなんていないんだよということをバラすのをとてもやりたかったです。
夢主と金髪ミシュアがメルサンディで暮らすにつれ仲良くなっていき、金髪ミシュアが消えてしまったあとも彼女のことを忘れられず、黒髪のミシュアとはずっと顔を合わせずに金髪ミシュアと一緒に過ごしている。そんな感じの。最終話を読んでソフトな恐怖を感じていただけたら書き手冥利につきすぎます。
なぜ皆金髪ミシュアに関する記憶が消えているのに夢主だけは克明に覚えているのか?というのはあれです。夢主からミシュアへの思いの強さみたいな。夢小説だからそういう強引さで押し通しても許されるも思いました(最低)。
また、作中の金髪ミシュアの台詞は「夢主が想像したその時のミシュアの返答・問いかけ・呼び掛け」なので、実際のミシュアと比べると幾らか違いがあるかと思います。夢主の理想が反映されているといいますか。勇者姫アンルシアではなく、原作そのままのミシュアでもなく。夢主の妄想にねじ曲げられたミシュアという微妙な立ち位置のキャラになってしまいました。こんな夢小説あっていいのか……
ソフトなホラーがほのぼのの裏に隠されたもう一つのコンセプト的なものだったので、かすかにでも異様さを感じて!いただければ!大成功です!!
一話あたりの字数も少なく、また全体としての話数も少なく。物足りなさも若干残ってはいますが、書きたいなと思ったのは書けたと思うのでこれはこれで。
まだまだ未熟な書き手であり、拙いお話ではありましたが、このお話を読んで少しでも楽しんでいただけたなら嬉しいです。
ぐだぐだと長いだけのあとがきでしたが、お付き合いありがとうございました。
(2016.05.04/霜月 拝)