「あああああああああ」
「!? どうした、ナマエ」
「あ、あう……ウッ……ウウーーーッ」
「落ち着け。な? 夕方五時だから、何かお知らせが来たんだろ?」
「ほ……」
「ほ?」
「ホワイトデー……神、あまりにも神………」
「ああ、ガシャか。今回の衣装、展覧会の時に気に入ってるって話してたもんな」
「わ、私生きてて良かった……今死んでも一片の悔い無し……」
「ま……っ、待て待て待て! 大げさだろ、死んでどうすんだ!」
「ウッ……だってこの……ああああ…好き……」
「(完全に語彙力が無くなってる)……落ち着け。今死んじまったら、ガシャで俺を引くこともできないだろ?」
「そ、それは嫌です……」
「なら生き残ってガシャ回そうぜ!」
「生き残ります! GASHA☆しようぜ!! フゥーーーーーッッ!!!」
「死にたい」
「………」
「死にたい……ウッ……ガシャは死んだ……死にたい」
「……ナマエ。運だ、運……これは運なんだ……」
「楽さん未実装です……」
「SRだからすぐ出ると思ったんだがな。俺も意地になって回しちまったけど、最初に龍が出たっきり全然出なかったしな」
「わ……私 は ゼ ロ で す」
「……その、悪かった……」
「楽さんを謝らせたいわけじゃないんです……己の運のなさを、徳の足りなさを悔いてるんです……」
「徳って……」
「私の善行が足りなかったから……」
「そんなことないだろ。普段からナマエは俺のために色々やってくれてるんだ、善行は充分すぎるくらいしてるだろ」
「うっ……楽さんありがとうございます……でも爆死の傷は深い……それでも」
「ナマエ……? 急に立ち上がって、まさか」
「ここまで来て撤退なんてできない……」
「ナマエ! いいんだ、復刻まで待てば引ける! ここで無理することなんかないだろ!」
「今日の推しには今日しか出会えないんです楽さん……それになんか、今なら引ける気がする!」
「ナマエ……」
「推し(jpeg)イズ……プライスレス……買えるものはマ○ターカードで! とりゃーー!」
「うおあああああああああちげえええええええええええええッッッアアアアアーーー!!!!」
「ナマエ!? 落ち着け!」
「ううううだって! だ゛っ゛て゛!!!! ちがう!!!」
「……これは……千さん……?」
「二枚抜いたけど! 違う! 十さん一枚来たけど! 違う!! 私の楽さんどこですかああ゛あ゛あ゛」
「仕方ない、ナマエ。今回は三人同時のピックアップだ。龍も千さんもかっこいいじゃねえか。な?」
「……っ、楽さん……」
「とりあえず覚醒しようぜ。ナマエが好きだって言ってた衣装、千さんにだけでも着てもらおう」
「うっ……はい……」
「覚醒前も、みんな仕上がりにこだわってんだ。ナマエもAグループの時に作画が良いって言ってくれてたよな」
「はい。覚醒前も覚醒後も今回すごく良くて、めっちゃ欲し……ウッ、とりあえず覚醒します! ポチー!」
「お、千さんかっこいいな!」
「は、はい……ひーーーイケメンだ……眩し……イケメン……」
「(お、ナマエのテンション上がったか?)」
「あ゛ーーーー……、いや、イケメンですね……好き……」
「好……ッ!?」
「いやあ……かっこいい……ヤバいですねこれ、ヤバヤバのヤバ……あーー……ヤバい……」
「……」(何としても俺を引いて欲しいという顔)