桜が少しずつ咲き始めて、春がもうすぐそこまで来ている事を報せている気がした。毎年思う事であり、毎年見る光景ではあるけれど。 リンは部屋から出て、両親に少し出掛けて来ると話して外へ出た。 桜並木の道を歩いて行くと、ほのかに香る桜の香りに頬を綻ばせた。満開になったらみんなでお花見をしたいなと桜を見て歩きながら思っていたせいで、きちんと前を向いていなかった。そのせいで、前から歩いて来る人にぶつかってしまった。リンはその衝撃で転びそうになった所を後ろから誰かに支えられた。 「まったく…ちゃんと前を見て歩かないと駄目だろ?」 すみませんでしたと、ぶつかってしまった男性が謝ると後ろで支えてくれた彼がこちらこそすみませんでしたと謝った。リンも慌ててすみませんでしたと謝罪をし、男性は歩いて行った。 「怪我はどこにもないか、リン?」 「大丈夫。ありがとう、レン君」 私を助けてくれたレン君は近所に住む幼なじみのお兄ちゃんだ。一つだけしか歳が変わらないのに、レン君は昔から大人っぽくて私はよく今みたいに助けられる事が多かった。 そんなレン君に惹かれる事は必然で。今も高鳴る心臓がうるさい。 「どこに行こうとしたの?」 「桜の香りを嗅ぎたくて外をブラブラと歩いてたの」 そしたらぶつかっちゃってと話すと 「なら、特別に用事がある訳じゃないのか…したらさ、これからちょっと学校まで付き合ってくれない?」 「学校?」 「ああ。メイコから呼び出し。何でも生徒会長が必要な仕事があるんだと」 時間的にはそんなにかからないらしいんだけど、と続けて話すレン君に了承して、家に急いで戻り制服に着替えて学校に向かった。 上靴は持ち帰っていたので、スリッパに履き替えて生徒会室へと行くとめーちゃん先生が書類と向かい合っていた。 「すんませーん。来ましたけど」 「お…お邪魔します」 「休みなのにごめんなさいね、レン。あら、リンも」 「あっ散歩してたらレン君に学校まで付き合ってって言われて」 「ははーん。ナンパされたって事ね」 やるわねレンもとクスクス笑うめーちゃん先生にレン君はうるせえ!と話してなんだか可笑しかった。 めーちゃん先生との用事が終わって玄関に行こうとすると、ちょっと教室見て行かない?と言われて2年生のレン君の教室に向かった。 「レン君の席ってここで合ってるよね?」 「ああ。そして前にミクオと後ろにミク。毎日毎日リンリンリンうるさいよ」 レン君はそう話しながらミクオ先輩の席に座った。窓際の真ん中のレン君の席は日差しが入りこんで来て眠気を誘いそうだ。 「なんだか不思議だね!」 「何が?」 「こうしてると同級生みたいだなーって。レン君とミクオ先輩とミク先輩と一緒のクラスだったら楽しかったんだろうなあ」 そう笑いながら話すとレン君は少しだけ黙り込んだ。どうしたのかと思い声をかけようとしたら、不意に掴まれる左手。 「レン君?」 「俺もリンと同じクラスが良かった。そしたらリンをずっと一人占め出来るのに。授業中もずっと」 …じっと見つめながら言われた言葉。 そしてレン君から告げられた言葉。 「リン。好きです。俺と付き合って下さい」 そう告げたレン君の顔はほんのり赤くて、私の顔はもっと赤いのだろうと思った。 「レ…レン君…私なんかがレン君の隣に居ても良いの?」 「なんかじゃなくてリンが良い。リンじゃないと嫌だ。リンだけだ。」 真剣な眼差しで見つめられて。答えなんてとっくに決まっているのに。 「…はい。私もレン君が好き…大好き」 そう告げるとレン君に思い切り抱き締められて、ちょっと苦しかったのはまた別の話。 きろちゃん一周年おめでとー!!!!!! ヤンデレが多いうちのサイトだけど、今回はほんわかレンリンにしてみた(笑) ぐだぐだ且つ思い切り季節無視でごめんなさい(>_<;) 愛だけはこれでもか!!とぐらい詰め込みましたので、どうかお受け取り下さい…っ! これからもレンリン愛を一緒に高めて行こうね(*´▽`*) きろちゃん大好きだよー!! 捺実でした。 --------------------------------------------------------------------------- なっちゃん、一周年記念に小説を書いてくれて、ありがとう!! しかも幼馴染の お に い ち ゃ ん だと!?何て美味しすぎるmgmg これからもっといちゃいちゃするんですね、分かります^^ こんな素敵な小説を、ありがとう!私も愛してます(キリッ これからも、よろしくね! |