(※微えろ)


最近、自分がおかしい。
自分の感情なのに抑えるのがやっとで、自分の体なのに直ぐに反応してしまって。ああ、どうすれば良いというのだろうか。
込み上げてきた溜め息を深く吐き出せば、それは空気に混ざって溶けていく。ザーザーと打ち付ける雨を、持ってきていた傘でガードしながら。空を見上げれば、自然と思い浮かぶのは自分の姉の姿。
笑った顔も泣いた顔も、全てが全て自分を狂わせる。これが恋か只の女性への興味かは分からないが、それでも彼女を見ていると自分を自分で止めれなくなってしまう。無邪気に笑うその表情を苦痛にも歪ませて、他の誰でも無いレンという存在をその身に染み込ませてやりたい。何も考えられない程深く刻み込んで、一生忘れられない傷を負わせてやりたい。なんて、これは普通では無い感情。つまりは異常だと、そう理解している。
俺はリンに何を求めているんだ……。
これ以上の事を想像しそうになった思考を無理矢理押し殺せば、出てくるのは深い深い溜め息。

冷たい雨が地面を叩きつけて、それが跳ねて靴やズボンの裾を濡らしていく。それでも雨による被害が最小限なのは、今持っている傘のおかげであろう。
今日は、偶然にも点いていたテレビに天気予報が流れていたのを確認しただけので、傘を持っていたのはラッキーだという事に他ならない。
学校から家までは少し距離もあるし、例え近かったとしてもまともにこの量の雨に打たれていれば、確実にずぶ濡れ確定だ。悠々と歩いていれば、何人か傘を差していない人達の走る姿がチラホラ。そんな人達を見ていれば、ちゃっかり傘を差している事に少しの優越感。
そんな事を考えていれば、突然背中に衝撃が走った。思わず前屈みになりながらも、何とかバランスを保てば。目の前から聞き慣れた声で、すみません。と謝罪の言葉が聞こえてきた。
レンは瞬きを繰り返しながらもそっと顔を上げれば、その声の正体は案の定姉であるリンだった。

「…あっ、レンだったの?丁度良かった!」
「え?って、ちょ…何して」
「良いでしょ?あたし傘忘れてさ」

ぐいぐいと押し出される勢いで、リンが傘の中に入ってくる。冷え切った彼女の体が触れて、冷たい筈なのに何故か体は徐々に熱を帯びていく。
ザーザーと煩い雨音が、ドキドキと波打つ心音を打ち消してくれる。ちらりと彼女の体に視線を移せば、雨によって濡れたブラウスが体に張り付いており。薄く見える肌色と、彼女の下着に思わず目を逸らした。
そして、腕に当たる柔らかな感触。確認しなくても、それが彼女の胸だと直ぐに分かる。
どきどき、どきどき。
ああ、もう馬鹿リン!俺はどうしたら良いんだよ?
目を瞑って何かに耐えているとリンに声を掛けられ、そこで漸く立ち止まってしまっていた事に気付いた。レンは慌てて足を動かせば、彼女は小さく笑っており。その笑顔にまた、どきりと胸が高鳴った。


家に着いたら、真っ暗な玄関の明かりを点けた。
そう言えば今日、両親は遅くなると言っていたような気がする。別に両親が不在という事は珍しい訳ではないので、レンは当たり前の如く疑問に感じる事は無かった。
タンスの中から大きなタオルを取り出せばそれをリンに渡し、風邪を引く前にお風呂に行く事を促して、そのまま自分の部屋へと足を進める。
自分の部屋に向かう途中で彼女の方を振り向けば、困ったような寂しがっているような表情をしており、その体を抱き締めたい衝動を抑えて部屋の扉を閉めた。

やっぱり自分は、何かおかしい。そっとズボンを見下ろして、深い溜め息が零れた。
彼女に対して、このように理性が保たれなくなったのは最近からではない。前々からこういった反応を示していたし、夜中に彼女の姿を思い浮かべて抜くのも多々あった。姿を見るだけで頬が赤くなるし、冷静でいられなくなる。一緒にいるだけで幸せだし、彼女の笑顔には何度も救われた。
これが恋なのかと小首を捻れば、やっぱり恋なのかなと唸る。そして膨らんでいる自身に目を向けて、再び溜め息を吐き出した。
彼女とはお互いに別々の部屋なので大丈夫だろう、と。レンは鞄を置いて上着を脱げば、そっとベッドに入り込む。
布団を被らず、そこに座れば。ゆっくりとズボンを脱いで、徐に己の肉棒を晒け出した。それは既に堅くなっており、脈打つその姿は自分のものなのに何とも言えない。
先程のリンの姿を思い出せば、どくんっと再び脈打ち。レンは自分のそれにそっと手を添えれば、苦しい表情のまま唇を噛み締めた。

「ごめん、……リン」

一言呟けば、添えた手で強く扱いていく。
何度やっても恥ずかしさの消えないこの行為に、目を閉じれば。瞼の下に広がるのは、リンの姿。頭の中で、純粋な彼女をどんどん犯していく。泣きじゃくる彼女の胸を貪り、女性器に自分のものを挿入する想像を何度も何度も繰り返した。想像の中の彼女はいつも泣いていて、決して自分を求めようとしない。自分の想像なのに、自分を求める彼女が想像できなくて。
その間にも肉棒を上下に扱き、先端を擦り。自分で自分の絶頂を促していく。
リン、リン、……リン!
頭の中で何度も何度も彼女の名前を叫び、その瞬間頭の奥が白く痺れた。そっと目を開ければ、手のひらで粘つく精液。早漏だな、と薄く笑えば溢れてくるのは果てしない虚しさ。
何やってんだろ、と零れた溜め息は静かな部屋の中に響いた。

今日で何度目か分からないこの行為、そして何度やっても慣れないこの虚しさ。再び溜め息を零し、そっと寝転がる。
壁を背に目を薄く閉じれば、小さな声が背中から聞こえてきた。この壁の向こうはリンの部屋で、勘違いでなければ確実にリンの声であろう。レンはゆっくりと体を起こし、そっと壁に耳を当てて神経を研ぎ澄ませる。
それは本当に小さいが、確かに"レン"と聞こえたのだ。
もしかして、泣いているのだろうか。理由は分からないが、リンが涙を流してレンを求めている。そう考えてしまえば、じっとしている事ができなくて。レンは直ぐにズボンを履き直して、勢い良く部屋から飛び出した。
そして隣の部屋の扉を二回ほど叩けば、返事も聞かないで思いっ切りそれを開けた。その時、開けないで!と言うリンの声が聞こえたが、時すでに遅く。
開いてしまった扉の向こうには、布団の上で固まっている彼女が目に入った。困ったような焦っているような表情で固まっている彼女は、目に涙を溜めて頬を真っ赤に染めている。そして、その手の位置が。

「……え?」
「ひっ、やあああっ!見ないで、出てって!」

リンは勢い良く布団を被り、かたかたと震えた。
一瞬ではあったが、確かに彼女は震える自分の指を、しっかりと自分の中に入れており。
つまりアレだよな、うん。俺と同じ事をしていたって事、だよな。
ならば先程レンの名前を言ったのは、レンを考えながらしていたという訳で。そう考えてしまえば、込み上げてくるのは果てしない嬉しさ。思わず口元を抑えて、緩む頬を誤魔化す。
そして布団を頭から被る彼女に、そっと近付いていく。

「リン、もしかして…」
「ひぅっ、いい言わないでっ」
「俺の事考えて、してたんだろ?」

喉の奥に息を詰まらせて、縮こまるリンが愛しくて愛しくて。
今までそういった行為には無縁だとばかり思っていた彼女も、所詮は一人の人間で。目の前で恥じらうその姿に、どきどきと鳴り止まない心音がリアルに耳の奥に鳴り響く。今まで想像してきた事が現実になるのかもしれないと、自分の想像でさえ求めてくれなかった彼女が自分を求めてくれていると、頭の中では勝手に期待してしまう自分が居て。
彼女の前に立てば、思いっ切りその布団を剥ぎ取った。リンの髪や体は未だに濡れており、風呂にはまだ行ってない事が一目瞭然。かたかた震えるその肩は、確実に寒いからではない。
両手でパンツの下を隠して、真っ赤に火照った頬で涙を溜めて目を見開いている。そんなリンを見て、先程抜いたばかりだというのに、再び元気を取り戻していくのが分かった。

そっとリンに覆い被さるようにベッドに入り込めば、戸惑う彼女が逃げないようにさり気なく体に跨って。
自分の下で困惑する彼女を見下ろせば、我慢なんてできなくて。生唾を飲み込み、彼女に見せつけるように己の性器を取り出した。そしてそれをリンの女性器に擦り付けるように、太股に挟ませる。
その瞬間、ぴくりと緊張の糸を研ぎ澄ませる彼女に思わず笑みが零れた。
自分もずっとリンの事を考えて抜いていた事を告げれば、え?と瞬きを繰り返す。そんな姿にもどきどきと心臓が鳴り止まなくて、本当に余裕が無い。
今すぐにでもリンの中に入って、何度も何度も腰を打ちつけて。汗ばむ身体に赤い印を沢山付けて、そして一緒にイきたい。
ゆっくりと彼女のそこに先端だけ入れれば、小さく喘ぎ声を上げる。膨張しきったそれはもう限界に近いので、我慢するのがやっとだ。それでもきちんと挿れずに、先端だけ抜き差しを繰り返した。
彼女のそこは今まで自慰していた為か、愛液が絡み付いてとても心地良い。自慰のせいで火照ってしまっているリンの身体は敏感になっており、そしてそれはレンも同じで。

「……ぁ、うぅ」
「ねぇ、リン。……良い?」
「っ、……いじわるぅ」

ぽろぽろと流れる涙を舐めとれば、リンはぎこちなくレンの身体に腕を回した。
そして彼女からのキスを受け入れば、それを合図に深くなるキスと共に腰を沈めていく。口の中でリンの声が響き、脳の奥まで溶けてしまいそう。
ああ本当に、




君と全て溶け堕ちてしまいたい




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中途半端で申し訳ないです。それにしても、やっぱりえろが下手くそすぎる←
そして、レンが変態になりました。




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