(えろ) 好きじゃないと言ったら嘘になる。 でも、好きと言っても嘘になる。 オイラ達の関係にそんな特別な感情は必要無いんだ。 シーンとした室内。その中に微かな寝息が聞こえる。そんな中デイダラは一足早く目が覚めて自分の部屋と変わらない天井に目を向ける。スースーと隣で規則的に寝息を立てる一夜を過ごした赤髪にも目を向けず、ぼーっと天井を見る。 目が覚めた直後は、何をしているのか何をしていたのか頭の整理が付かずピクリとも動かず目を開けた先にある天井を見つめる。別にそこに穴がある訳でもなく、気にになるものがある訳でもない。只単に横を向く事さえもしんどかった。それだけだった。 それでも、やっぱり聞こえてくる寝息の音に少し顔をずらす。目に入るのは予想通り相方のサソリで。世にも珍しい程の美しい顔立ちに、幾度も魅とれてしまった経験がある。 ズルいよな、と一言頭の片隅で呟き、自分の上体を起こす。 ズキ、と腰に痛みを感じた。 痛みとベタベタな体を見ると自然と昨日の出来事が蘇ってくる。いつもの事だが、やはり慣れないものは慣れない。お腹の違和感に、また中で出したままかと溜め息一つ。 後処理をするのさえ面倒だが、やはりそのままにしておく訳にもいかず。ギシっと音を立てて(それでもサソリが起きないように慎重に)ベッドから降りて、風呂場に向けて足を進めた。 サソリとデイダラはこれまで幾度か体を重ねてきた。しかしその行為に愛はなく、二人とも恋愛としてではなく(デイダラは微かに期待していたのだが)只の性欲の処理の為に体を重ねている。 それは二人とも納得したうえでだし、文句も言った事がない。 それ以上にはならないとは分かっているのだが、胸の苦しみは消える事はなかった。 ガラララ デイダラは裸にタオル一枚の姿で風呂場の扉を開け、中に入る。そして入るなり、お腹の違和感をなんとかしようと自分のそこに自分の指をあてて、ゆっくりと広げていく。 くちゅっ、と水音がすればトロリと中から白濁の液体が太股をつたう。その液体はまだ暖かく、出してまだそんなに時間がたっていないのかなと感じた。 昨日は沢山イかされたから、逆に相手も沢山出したのであろう、トロトロと流れる液体は広げても広げても出てくる。仕方の無いのでズブリと指を押し入れた。 くちゅ、くちゃっ、じゅぷっ 「ふっ……ぅん…っ…」 掻き出すように指を動かしていき、トロトロと蕾に入れた指の隙間から出てくる白濁。液体が出ていく度に自分の息遣いが荒くなっていくのが分かる。 こんな事を1人でしている自分に恥ずかしくなり、又寂しくなった。 そんな時だった。 ガラッ、と突然扉が開いたと思えば直後に聞き覚えのある声がしたのた。 「デイダラ?」 それは案の定サソリで。どうしてきたのか、とかもう起きたのか、とか。後処理をしている姿を誰かに見られるのが恥ずかしいからか、頭の中が整理できない。それが中出しをした張本人だったとしてもだ。 まるで石像にでもなったかのように固まるデイダラとサソリ。それでも白濁だけは容赦なく太股をなぞっていく。 あぁ、このまま淫乱だの汚いだの罵られるのだろうか。だなんて言葉が浮かんできて泣きたくなった。 目頭が熱い。じわ、と瞳から涙が滲んでくる。 目を合わせるのも億劫だったので、そのまま顔をゆっくりと下へと俯いていった。 その時。ふわっ、と体が温かいもので包まれた感覚。それが、抱き締められている事に気付くのに時間はかからなかった。 「……旦那?」 「すまん、……本当は」 「駄目だぜ、旦那。これ以上は規則違反だ。それに、」 期待しちまうだろ? もしこれが夢ならば、一生覚めないで欲しい。 抱き締めてくれる彼の腕が、本当に愛おしそうに震えているので、それが嬉しくて悲しくて。 ぼろぼろと頬を伝う暖かな涙が溢れていく。 ちゅ、と口付けた感覚は今まで以上に温かくて。 一時だとしても、とても幸せだった。 私は幸せ、ですか? ------------------------ シリアス→甘……じゃないぞ!? おかしい、予定では最後はもっといちゃいちゃさせるつもりだったのですが。 でも、今後甘々になる。という訳で← すみません。 フリリク感謝! |