その背中はどこか頼りなく、どこか儚く感じる。
それ故に守ってあげたいという(兄としての義務感かもしれない)気持ちになるのだ。
だから、この気持ちはたぶん別のもの。

彼の頬に触れてみれば、それは柔らかく。そして、暖かく。
それはまだ生きている、という証。だから手放したくない。
さらっと髪に触れれば、比例するかのように微笑むサスケの顔。とても綺麗で、とても可愛くて。
それにつられて自分も微笑んでいた事に後々に気付いた。
幸か不幸か周りは自分達以外には居なく、音なんてものも無い。
自分だけが堪能できる。

「兄さん、どうしたの?」

未だ笑みを浮かべる口が言葉を綴れば、まん丸な瞳がこちらを見て視線がぶつかる。
そして、今自分のしている事に漸く気付いて。バッと彼の頬から手を離そうと思ったが、どうしてか手が一向に動かない。
どうしてか、離したくないという気持ちが強くなってくる。
(あぁ、これって)

「サスケ、好きだ」

(兄としてじゃなくて、純粋に恋をしてたんだ)
彼の瞳がより一層まん丸になり、再び口が開くその前にギュッと体を引き寄せた。



それは、恋




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やっと気付いた、自分の気持ち。




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