本当に毎回、毎回。困ってしまう。
いつも火影になる、と任務や戦闘でも先々へと突っ走るコイツだが。

「なぁ、サスケ。……キ、キス…して、良いか?」

この手の事になると、恥ずかしいのか無駄にシャイになる。
確かに羞恥心の欠片もないよりかは幾分マシなのだが。やはり、こうモジモジされると(苛々するとまではいかないが)こちらまで恥ずかしくなってしまうのが現状で。
サスケはわざと大きく溜め息をつけば、目線を外し、

「好きにしろ。」

一言だけ呟いた。それは小さなものだったのだが、聞こえていたらしくホッとしたような笑みを浮かべる彼の姿が目に映った。
そして、ありがと。と一言発せば、ゆっくりと唇を重ねてゆく。
それは本当にゆっくりで、重なるまで何分(実際には何秒とまでもいかないが)かかったのかと思ってしまうほど。
そして重なった後ゆっくりと離れていく、のがいつもの事だったのだが。今回は違うらしく、未だ閉ざしている唇を器用に舐めとられ、それに比例するかのように口を薄く開けばヌルッとした感触を覚える。
これがナルトの舌だと気付くのに数秒かかってしまった。
いつもと違う、深いものに少しの戸惑い。そして少しの期待。

サスケの舌をゆっくりと吸って、絡みとって。
この手の事になるとシャイになるコイツも、やはり男(当たり前なのだが)なのであろうと再認識した。
くちゅ、くちゅ。
そんな音をわざと立てながら、角度を変えて息継ぎをして再び、深く、深く。
不覚にも気持ちよさで頭の中がボーっとしてきた。
(……くそぉ…、やべぇ)
本気で流されそうだと察したサスケは、未だしつこくキスを求めるそいつの胸を押す。
すると意外と簡単に離してくれた。
頭の中がほわほわとして、これ以上するのを拒んだ己に少しの後悔。

「……なぁ、サスケ…」
「ん、なんだ…?」
「えと…その、だな……。」
「何だよ、言えって。」
「…せ、せっく」
「断る。」

ナルトが全てを言い終わる前に、言葉を遮ってやった。
やはりキスまではまだ大丈夫なのだが、それ以上になるとやはり恥ずかしい。
(俺もこいつの事、言えないな)

シャイなのはお互い様、ということで。



チェリーなあの子




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たぶん一部の話じゃないかと思います。
しかし鳴佐大好きです!



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