初めの印象は最悪。
身だしなみがきちんと出来て無いだの、学校をサボるなだの。他にも上げれば、たくさん出てくる。まぁ、相手は生徒会で一番偉い生徒会長様だから、言われるのは仕方の無い事かもしれない。それでも、俺のやる事を一々注意(というよりは暴言に近い)されると流石に鬱陶しく思えてくる。

でも、ふとした時。いや、本当にふと気付いたんだ。"俺、アイツが好きだ"
って。

可笑しな話だろうけど、これが現実。だって実際、俺がアイツの事が好きだと気付いたその日から、アイツの顔を見るだけで嬉しくなってしまうのだから。

「おい、ナルト!」

ニマニマと頬の筋肉を緩めズカズカと廊下を歩いていると、脳内で噂していた人物の声が後ろから聞こえてきた。
あまりの不意打ちさにビクッと肩が震えてしまう。恥ずかしかったが、あえて何事も無いかの如く、いつものように振り向く。すると最初に目に入るのは、深い深い黒。漆黒の髪と瞳。思わず魅入ってしまう。
ああ、もう。これじゃあ頑張っていつものように振る舞った意味がない。

「な、んだよ…?」
「ネクタイはきちんと絞めろ、それに煙草は吸うなといつも言ってるだろーが」

いつもと同じ表情で、いつもと同じ台詞を、いつもと同じ声で発する、いつもと同じサスケ。
本当は今でも抱き締めて、その柔らかそうな唇にそっと自分の物を重ねて、深い深いキスをしたい。
それでも、そんな欲望は胸に押し止めて、俺はいつもと同じように言うんだ。


「ばーか、今やろうと思ってたんだってばよ!」



いつもと同じ様に






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