(※えろ) あっ、あっ。と短い呼吸と共に漏れる、艶の入った声。嫌だと言っても、その言葉が耳に入らないのか、否か。服の中に侵入する手に戸惑ってしまう。 相手を押しのけようと顔を掴んだ右腕と、相手の肩を必死に押していた左腕を意図も簡単に床に叩き付けられてヒリヒリと痛い。 そのまま相手の顔が近付いてきて、ぺろりと上唇を舐められた。 ああ、もう。 どうして、こんな事になってしまったのだろう。 事の発端は簡単だ。ただ、連れてこられたのだ。 学校の帰りに、いつものように帝人と杏里と一緒に街を歩いていた。そしてベンチに座り、他愛の無い会話を繰り返して。 時々帝人をからかってやれば、彼は面白い程予想通りに慌てるものだから、それが面白くてしかたがなかった。 どれぐらいの間、話していたのであろう。喋りすぎたせいか、なんだか喉が渇いたのでジュースを買ってくる。と二人に告げれば、彼らも喉が渇いていたのか逆に二人がジュースを買いに行ってくれる羽目となった。 それが凶と出てしまったのであろう。 ぼーっと近くの自動販売機でジュースを選ぶ二人を眺めていると、突然背中をぽんぽんと叩かれた。 誰だろう、と振り返ればそれは最も嫌いで、もう関わりたくのない人物、折原臨也だった。 そしてそのまま何故か腕を取られ、無理矢理連れてこられたと思えば、そこは臨也の家で。 帝人と杏里に申し訳ないと思う半分、早く逃げておけばよかったと後悔半分。 それでも逃げなかったのは、何故か逃げれないと本能的に感じてしまったからだ。 この世に神様がいるなら、救いの手を差し伸べるのは今のタイミングの筈なのに。そんな救いなど、やってはこなかった。 「……っあ!」 「何、考えてるの?今の状況分かってる?」 「っ、ふっ。…なん、で……」 先程までの経緯に後悔の念を抱いていると、突然きゅっと詰まるような痛みと痺れに声が漏れた。臨也が胸の突起を強く摘んだと気付いたのはその後。 まるで無邪気な子供がお遊戯でもしているような、楽しげな口調で声をかけてくる臨也を一睨みすればぎゅっと下唇を噛み締める。 きゅっ、と摘んだり揉んだり。潰してみたりと焦らすように遊ぶものだから、そんな所を弄られて反応するような体質はしていない筈なのに、息が上がっていくのが分かる。 そのまま、ぐいっと服を捲り上げられて、ほのかにピンクがかった小さな胸が晒された。ピンと立った胸の突起に、ははっ。と笑みを浮かべるものだから。それが無償に腹が立って、思いっ切り蹴飛ばしてやろうと右足を臨也の腹目掛けて蹴り上げた。 と、思ったら彼はそれを簡単に交わし、そのまま足を掴み彼の肩に乗せられる。バランスを保とうと、右手を床に付けば、頭の中が混乱してどうやって逃げれば良いのか分からなくなった。 「本当に、もう止めて下さいっ……。臨也、さん」 「ん〜、どうしよっかな。」 「……っ。」 止めるなんてサラサラ無いのか、臨也は正臣の胸に唇を持っていき、そのまま甘く噛み。思いっ切り吸い付いてきた。 正臣はれっきとした男なので母乳なんて出る訳がないのに、まるでそれを飲もうとするかのように吸い付いてくる。変態だと思ったが、それに感じてしまう自分は、もっと変態だと頭の中では冷静に感じていた。 ぺろりと最後に舐められ、やっぱり出ないか。なんて呟くものだから、心の底から本物の変態だと思った。 そしてその後に、ここなら出るよね。とズボンに手を掛ける行動が目に入り、目を見開く。右手は体を支えているし、左手は震えて動かないので正臣は小さく首を横に振った。 「本当に嫌なのかな?」 「……すみません、もう本当に、止めて下さい。」 「ここは随分と興奮しているのに?」 「…っ!」 目に映った光景に現実逃避をしたくなった。 己の自身が主張しズボンを押し上げているではないか。 ああ、もう。本当に最悪だ。 臨也は唖然とする正臣を見て、くすりと笑みを零せば、ぐいっと正臣のズボンを一気にずり下ろした。片足は臨也の肩に掛かっているので足のスネ辺りまでズボンを下ろす。 それは既に固くなっており、先端から先走りがじわりと零れる。それをまじまじと見るものだから、恥ずかしさと混乱で顔が一気に赤く染まっていくのが、自分でも分かる。 正臣は思いっ切り顔を背けた。 「ねぇ、一緒に気持ち良くなってみない?」 突然、彼も彼自身を取り出したと思えば、正臣が彼の顔を見る前に。それと正臣のそれを一緒に掴み同時に扱き始めた。 少しゴツゴツとしたそれが擦れてピリピリと背筋が痺れる。 強い刺激に腰の奥が熱くなる。 どくどくと脈打つそれがぴくぴくと示す小さな反応。きもちよくて、きもちわるくて。 「……っ、ぁあ」 「……早いね」 どろり臨也の手とそれにぶちまけてしまった。 白く濁った精液に、臨也は苦笑混じりに手に付いたそれを舐める。そして、濃いけど最近やってなかったのかな。なんて挑発してくるものだから。言い返してやろうと思ったが、今はそれをする余裕もなくて。 睨む事しか出来ない自分が惨めに感じてくる。 それでも彼には効かないのか、臨也はまた、にこりと微笑んだ。 そして左足を掴んだかと思えば、右足と同様に臨也の肩に乗せられる。彼にお尻の穴から正臣の自身全てが丸見えで、正臣にとってすごく苦しい体制。 高揚する熱をさらに高揚させ、羞恥の姿に顔を青ざめる。 それでもイったばかりの体は更なる快楽に期待を覚え、再びじくりと腰の奥が熱くなる。 止めてと目に涙を貯めて悲願する正臣に対し、何を言っているのか分からないとでも言うように笑う臨也。 ぐっ、とそれをそこに当てられる。そこには今まで何も入れた事はなく、増してはまだ慣らす事すらしていないそこにそんな異物が入る筈がない。それは案の定、入らなくて。 先端がじわじわと入ったり抜いたり。 その中途半端な焦らしに我慢もできなくて。 いっそ、焦らさず一気に突いてくれ。とわなわなと肩が震え、思い切って言ってやろうかと思った時だった。 「あぁ、やっぱ慣らさないと入らないね。……ねぇ、自分で慣らしてよ。」 言葉を失った。 強姦まがいな事をしているにも関わらず、自分でしろと言うのだ。 これ以上、こんな奴に醜態を晒せと言うのかこの男は。正臣は真っ赤な顔で泣きそうな瞳をそのまま臨也へと向けて、ふるふると小さく首を横に振る。 すると、柔らかく正臣のそれに口付けを落とす。ぴくりと反応するそれとわなわなと真っ赤になって震える正臣に、できないの?なんて事を言われ、左指を握られる。 そしてそれをゆっくりと正臣の口の中に入れられる。思いっ切り入れられ、喉の奥に当たり少し噎せた。 そして手を口から抜き出し、ゴホゴホと咳き込む彼にお構いなしに、近くにあった机の上から小瓶を手に取り。 それが媚薬だという事に気付いたのは終わった後の事だった。 臨也はその蓋を器用に開け、どろりと正臣と彼の手に落とす。 そして唾液と媚薬で濡れた指を正臣のそこに持っていき、まさかとは思ったがそのまさかで。 ぬぷっ、と唾液と媚薬を潤滑油代わりに正臣の指を一本、一気に入れた。 指の付け根まで入れられ、じんじんとする痛みに歯を食いしばる。すると今度は、臨也の指が一本侵入してきた。 まるでやり方を教えてあげる、と言わんばかりに正臣の中で指と指を絡めあう。 そして輪を描くように、媚薬を練り込むように、中でじわじわと肉を擦っていく。痛みと気持ち悪さで、頭の中がいっぱいいっぱいになっていく。 その時。びりっ、と背中の奥から足の先まで確かに電流が走った。一瞬、息をすることを忘れる程の快感。 臨也は、これが前立腺だよ。と耳元で囁き、更にそこを攻め立てる。 ぴちゃぴちゃと耳を舌で舐めたり噛んだりしながらも、指を休めず前立腺を引っかいたり擦ったり。 気付けば自分でも指を動かしていた。 もしかしたらこれが奴の思惑なのかもしれない。 それでも止める事なんて出来なくて。 「ぁあっ、…はぁあ」 また出ると、思った瞬間。すぶっ、と臨也に自分の指ごと引き抜かれた。 それが名残惜しくて彼を見れば、くっくっ。と笑みをこぼしている。ぼーっとする頭の中で、次にくるであろう事に期待している自分がいた。 臨也はお望み通りに、と先程指が入っていた場所に、彼の自身をあてがう。そして、それを一気に差し込んだ。 その瞬間、腰の奥が悲鳴を上げじわりと血液が零れ落ちる。痛みが全身をびりびりと駆け巡り、頭の中が痛みでどうにかなってしまいそうだ。 そしてそれと同じぐらいジクジクと疼いて。 熱い息を吐きながらも、激しさを増す律動に笑みがこぼれた。 「ぁっ、あっ、ああっ!……ん、ふっ。もっ、とぉォ」 何もかもが壊れた、そんな音がした。 今はそれも過去形 ------------------------ ぬるい上に中途半端とはこの事ですね。 いつか今後の話も書いてみたいです。 ……うん、いつか。 |