(※えろ)


 ここはエレンピオス、アルヴィンの故郷だ。見慣れた世界とは一変して、何もかもが違う世界。今までの考えを再び考えさせられ、敵だと簡単に思えなくなった。この世界も、もう一つの世界も救いたい。そんな事を願い、そっと考えを深めていく。
 決心など簡単に付くと思っていたのに、どうしてか考えれば考える度に彼の、アルヴィンの顔が頭の中に浮かんだ。再び再開できた事が嬉しくて、自分の中の何かがおかしくなってしまったのだろうか。否、本当は答えなんて分かっていた。ただ、知らない感情なんだと勝手に思い込んで、消そうとして。それでもそんな事できなくて。
 ──何を悩んでいるんだ私は、決心を付けなくてはいけないのに
 ベッドの上で寝返りをうてば、ぎゅっと布団を握り締める。今なら、ジュードを想うレイアの気持ちが分かるかも知れない。なんて、まるで人間だな。ミラはそっと上半身を起こし、一人しか居ないこの部屋をそっと見渡した。
 小さく溜め息を吐き出せば、ノックが二回聞こえてきて、ゆっくりとドアへと視線を変える。静かに開いた扉の先には、扉に背を預けているアルヴィンの姿が目に入った。目が合えば、彼は複雑そうな表情のまま、右手を顔の付近に持って行き、よっ。と、一言呟いた。

 アルヴィンはそのままミラが座るベッドに腰を下ろせば、膝に肘を付いてだらしなく添えた自分の手のひらを数秒間見つめて、それを頭に持って行く。そのまま数回頭を掻きながら吐き出した彼の溜め息は、安堵に揺れており、ミラはそっと口元を緩めた。
 微かに震える彼の手に触れれば、それを優しく手のひらで包み込む。暖かい彼の手の感触が心地良くて、安心する。彼がここまで心配をしてくれているなんて思わなくて、どうしてか目頭が熱くなってきた。

「夢じゃ、ないんだよな」
「ん? 何か言ったか?」
「さぁな。ただ、」
「ただ?」
「また会えて良かったよ、ミラ」

 普段は聞かない彼の素直な言葉に、心臓が飛び跳ねる感覚。ミラは数回瞬きを繰り返して、胸の内から溢れ出る嬉しさに、きゅっと胸の奥が締め付けられていく。そっと動かした体は、無意識の内に彼へと身を乗り出し、ゆっくりと頬へと手を添える。
 え、という彼の間抜けな声を飲み込むように、そっと唇を重ねた。それは触れるだけの悪戯で、離す時に小さく響いたリップ音が妙にリアルに耳の中へと浸透していく。
 どうしてキスをしたのかだなんて自分でも分からなくて。ただ一つ分かることは、この暖かくてとて安心できるふわふわとしたものは人間的な感情だという事。これがきっと、いつか本で読んだ、好きだという感情だと思う。

「大胆だねぇ」
「何の事だ?」

 ぺろり、と先ほど重なった唇をなぞるように舐めれば、小さく小首を傾げる。あと数センチで鼻と鼻が付きそうな距離、彼の息遣いさえ鮮明に聞こえる程。煩く鳴り始める心音とは裏腹に、頭の中は驚くほど落ち着いていた。
 溜め息を吐き出し、本気なんだか天然なんだか……と頭を数回掻くアルヴィンに、再びミラは小首を傾げる。彼は再度溜め息を吐き出せば、突然ミラの細い腕を掴んで思いっ切り引き寄せた。
 勢いで彼は背中をベッドに埋め、その上に転がるように乗り掛かるミラ。二人は重力に従い、そのまま唇を重ねた。それは、先程の触れるだけの悪戯と違い、濃厚なもの。
 口の中に侵入してくる彼の舌に驚いて、起き上がろうと思ったがそれは時既に遅く。アルヴィンの腕によりミラの腰はがっちりとホールドされ、逃げるなんて事はできなかった。その間にも絡まる舌と舌に、だらしなく零れる唾液へと気を止める事もできなくて。
 痺れるような震える感覚に、嫌だという感情は何故か出てこなかった。一回離しては角度を変えて再びのキス、荒くなる息遣いに頭の中の酸素が足りなくなってしまいそう。
 彼とのキスに酔いしれていると、突然彼の手が薄い布越しにミラの胸へと触れた。片手では覆いきれないそれは、彼の手を包み込むように食い込んでいく。両手で両胸を揉みながら、どんどん深くなっていくキスに、チカチカとしてくる頭の奧。
 布越しに乳頭を摘み、くにくにと弄られて、ミラは無意識の内に小さく腰を揺らしていた。重なる唇の隙間から零れる熱い息、密着する体が火照っていく感覚。
 ゆっくりと唇が離れれば、名残惜しいとでも言うように、二人の口に一本の線ができて、それはぷつりと消えた。

「……ぷはぁ、なっ、何して!」
「悪ィ、止まんねえわ」
「ん……ま、待て……んぁ」

 胸を隠す布をそっと上へと上げれば、弾むように白い胸が晒け出した。アルヴィンはそれをまるで壊れ物を扱うように、また堪能するように丁寧に揉み、桃色に突起した先端を口に含んだ。その瞬間電流が走るように、ぞくぞくと腰の奧を奮わせる。
甘く噛んだり吸ってみたり、その度に溢れ出る快感にミラは小さく唇を噛み締める。アルヴィンは、肩を掴み小さく震えるミラの、その快感に耐えようとする表情を見て、そっと自分の唇を舐めた。
 そして、胸の上や腰の辺りに赤い華を咲かせ、右手をそっと下へと伸ばしていき。

「ひぅ……っ!? ぁ、ばか……そこ、は駄目、だ」
「おたくさんのここ、濡れてるけどな」
「ん……い、言うな! ふぁ、ん」

 太ももをなぞるようにスカートの下へと伸びた手は、そのままパンツの隙間から女性器へと指がゆっくりと入っていく。異物が入ってくる感覚は何とも言えず、ただただ痛くて痛くて。生理的に溢れる涙が目に溜まり、視界がどんどんぼやけていく。
 一本、二本と入ってくる度に痛みに震え、アルヴィンの胸に縋るように顔を埋めた。痛くて堪らないが、それでもこれで終わらす事もしたくなくて。彼と再び唇を交え、そっと彼の腰に腕を持って行った。
 中に入っている二本の指がバラバラに掻き回していき、だんだんと痛みが和らいでいくのが分かる。アルヴィンの上で腰を捻り、頭の奧が一瞬白くなった。ミラは短く声を上げ、そのままそっと彼の胸に顔を預けた。
 荒い息遣いを正す事に精一杯で、この初めての感覚に酔ってしまいそう。熱く火照った体は冷める事がなく、薄く額に汗が滲む。二人の呼吸が室内に響く中、そっと視界が反転した。

「え?」
「悪ィ、もう限界だ」
「……っ!」

 思わず息を詰まらせた。切羽詰まったような彼の声と共に、己の肉棒を晒け出す彼の、勃起し脈打つそれを見て息を飲み込む。それと彼を見比べて、瞬き一つ。そんなミラの腰を持つアルヴィンは、徐に女性器へとそれをあてた。
 待て、という言葉を吐き出そうとすると、それは彼のキスにより飲み込まれていく。そしてその瞬間にも、彼の肉棒がゆっくりと中へと入ってくるのが分かった。
 ぎちぎちと痛みも生まれ、アルヴィンの背中に強く爪を立てて、彼の口の中で叫び声が木霊する。処女膜も破れて、血と愛液が混じったものが彼の肉棒を絡め取り、いつの間にか彼のものを全て受け止めていた。
 果てしない痛みと圧迫感に震え、ぽろぽろと流れる涙が止まってくれず。彼はミラの涙を舐めとれば、ゆっくりと腰を動かしていった。

「あぁっ、んっ……や、ぁあ」
「やべー……ミラん中、良すぎ」
「はぁ、んっアル、ヴィン……んんっ」
「ミラ、悪ィ」

 何度目か分からない彼の謝罪に、そんな事が聞きたい訳では無いと言いたいが、そんな余裕も無くて。痛みはいつの間にか快感に変わり、ぞくぞくと腰の奧が喜ぶ。接合部がぶつかる度に鳴り響く水音に目を閉じて、何度も何度も求めるようにキスを繰り返した。
 余裕が無いのは自分の方かもしれない。自分の知らないこの快感に、怖くなってくるような感覚。薄く瞳を開けば、彼の余裕の無い表情が目に映り、ミラはそっと微笑んだ。
 その瞬間頭の奧がちかちかとして、先程以上の快楽の波が一気に押し寄せてくる。あまりの強い刺激に、意識が飛びそうになる瞬間、好きだと彼が言った、そんな気がした。
 彼はそっとミラの中から肉棒を取り出し、ミラのお腹の上に欲望を吐き出した。二人の荒い息遣いが響き、抱き締めたまま呼吸を整えていく。
 胸一杯に広がる幸せな気持ちが、彼を好きだと叫んでいる気がして、そっと瞳を閉じればその幸せを噛みしめた。

「やっちまった……」
「謝るなよ、アルヴィン。私も嬉しかったし、それに決心も付いた」

 お前が居るこの世界を、これからも守っていきたい。そう思う事ができたし、何より彼と繋がれた喜びを教えてくれた。私は、私はマクスウェルになる。そしてこれからも、この世界と共にお前を見守っていきたい。
 そんなミラの決心に気付かないアルヴィンは、頭に疑問符を掲げる。ミラは愛しそうに微笑み、その無防備に唇にそっと口付けた。




求めた愛は儚くも尊いものでした




「なるほど、これが交尾というものだな!」
「オイオイ、そこはせめてセックスだろ」
「ん? どう違うのだ?」
「……雰囲気ぶち壊しだな、こりゃ」
「?」




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初アルミラえろ文章!
えrを書くのが下手くそすぎて申し訳ない。
雰囲気が出てたら良いかな、という思いです、はい。




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