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09

 
「小腹減ったな。」
「な。」


今日は俺の家で侑と角名と銀の4人で宅飲みをしている。
買ってきたつまみは男4人には少なすぎてもうなくなってまった。酒はまだまだある。コンビニで何か買ってくるか。


「お隣さんちに何かあるやろ。」
「は?やめえや。」


侑がニヤニヤと言ってきた。何でここで名字さん出してくんねん。


「え、治お隣さんと交流あるんか?」
「おん、餌付けされとんねん。女子やで女子!」
「マジか!」
「ああ、納豆拾ったってやつ?」
「は?何それ。」


侑はこの前一緒に飯食ったし、角名も喫茶店で名字さんを見ている。唯一事情を知らない銀だけが目を丸くして驚いていた。


「付き合ってんの?」
「付き合うてへん。」
「毎週土曜日飯食いにいってんねて!少しくらい何かあったやろ!?」
「何もないから腹立っとんねん。」
「お?」
「……」


しまった、口が滑った。
これやと俺が名字さんと男女の関係を求めとるみたいやんか。
……求めとんのか。名字さんとセックスできるかと聞かれたらそりゃできる。男なんてまあ、そんなもんやろ。
俺が名字さんのとこに通う理由はうまいめしが食えるから。でも、例えば隣に住んでんのが名字さんやなかったら果たして俺は通っていたやろうか。
うまいめしはもちろんやけど、最近は俺の「うまい」を聞いて嬉しそうにする名字さんを見るのも目的になっとる気がする。ご馳走になってるんやから洗い物をやるくらい当然なのに毎回「ありがとう」と言ってくれるのが嬉しい。食後のコーヒーを飲みながら、バラエティ番組を見て一緒に笑う時間を幸せに思う。


「……好きかも。」
「「「おおお!」」」



+++



ピンポーン


俺が名字さんへの気持ちを白状したせいで侑のテンションがブチ上がって強引に名字さんの家の前まで連れてこられた。こんな時間にピンポン押すとか普通に迷惑やろ。


「あれ、どうしたの?」
「今なー、飲み会してるんやけどつまみ足りなくなってまって!何か分けてもらえんかなー思て!な、治!」
「ごめん、余りものがあったらでええから、ほんま。」


もうすぐ0時をまわる。名字さんはもう風呂にも入ってパジャマ姿や。パジャマ姿で男の前に出てくるとか何なん。何やねんそのモコモコのショートパンツ、エロいねんけど。


「唐揚げあるよ!ちょっと待ってて!」
「……手伝う。」
「じゃー俺部屋で待っとるから!」


こんな無防備な名字さんの姿を侑に見られんのが嫌や。彼氏でもないのに独占欲を感じてる時点でもう好きやんな。
俺は侑のニヤニヤした視線を背中に受けながら名字さんの部屋に上がった。



+++



「どうやった!?」
「唐揚げ貰てきた。」
「何でやねん!唇くらい奪ってこいや!」
「喧しいわ。」





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