朝、電車を降りた私とナリナリはたわいない話しをしながら学校へと向かっていると前方に珍しい後ろ姿を見つけた



「あれ?なしてゆっきーたちいんの?」



後ろ姿でもすぐに誰かわかる特徴的な2人の姿に首をかしげる
サッカー部の2人はいつも朝練で朝は早いはず。
今日は朝練が休みの日なのだろうか武田先生にしては珍しい

まぁ、たまの休息も大事だろうと1人納得していると隣から聞き捨てならない言葉が聞こえた


「ふん、テスト一週間前だからにきまっておろう。」

「え?」



そう言ってなり様は固まる私を置いてそそくさと先を歩く

いや、いやテスト前とか聞いてない!でもなるほどねそうなると部活は停止だもんね!いやいやでも聞いてない!!



「は?え?テスト前?うっそぉお!え、ちょ、待ってって!」



先を歩いて行ってしまっているなりちゃんの背中を小走りで追いかけて腕に縋りつくようにつかむ

嘘だ!嘘だよね!ねぇ!?元就くんんんんん!!!



「おはよう!」

「おはよう名前ちゃん」



するとちょうどゆきちゃんやさっすんたちに追いついてたのか挨拶をされる。
ゆっきーはいつも通りだが、……佐助くん何その引き気味な顔。

まぁ、でも飛んで火にいるなんとやら。
丁度いいと2人にとびつく



「2人とも!今日からテスト一週間前ってマジで!?あとおはよう!!」

「あぁ、そうだが。」

「まさか名前ちゃん忘れてたの…?」

「ジーザス!!!」



頭を抱えた私に三つの鋭い視線が突き刺さる
ゆ、ゆっきーまで何当たり前のこと言ってんのコイツ的な視線よこさないで!痛い!色々痛い!



「珍しく朝から元気だと思ったら」

「まぁらしいっちゃらしいけどね。」

「馬鹿め……」

「うっわ!傷ついた!今のすっごい傷ついた!!」



その場で地団太を踏む。
もうすぐ学校に付くというのに私の気持ちはすでに下向き、超絶萎えていた。


私だって自分の馬鹿さにはほとほとあきれるぜ、ちくしょー。

勉強してねー…昨日とか夜中までゲームしてたし、ゲームしてたし。



「うっわ、勉強してねぇ……」

「馬鹿だなぁ」

「今から頑張るぞ名前!」

「熱い…」



いつもんならノってやらんこともないゆっきーの熱血ぶりも今の私じゃただただ熱いだけである。熱い。

だけど今さらクヨクヨしててもしゃーないんだよな。
こういうことに対しては立ち直りが早いことに定評がある名前ちゃんです。どうぞよろしく。

なんてよくわかんないことを考えている内に萎えてた気持ちもグングンと上がってくる



「よっし、今日から名前ちゃん頑張っちゃう!!」

「立ち直りが早いな」

「うん。」

「……」



どこか呆れた視線をよこしてくる三人をよそに私はやればできる子できちゃう子!と暗示をかける

1人拳を握り瞳に炎をたぎらせる私にナリナリが一歩引いたのがわかったのですかさず一歩近づいてやった。




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