ルッチさんが帰ったのは
夕方で用意をするのには
身体は既にクタクタだった

なんとか起き上がり浴室へと行き
鏡を見て溜息をつく

胸からデコルテまでに
赤い痕が複数付けられていた

今日は少し胸元の開いた服で
大人っぽくしようと思っていたのに
胸もとが見えない服を着るしかなくなった

「ルッチさんめ…」

恨めしく思いながらもいつもよりも念入りに身体を洗い
シャワーを浴びて化粧をした
デコルテも赤い印が目立たないように
ファンデーションで隠す

◇◇◇◇◇

19時になる少し前にパン屋の前で待つ

「アラタ、今日はおめかししてるのね。」

「アイスバーグさんも喜ぶわね〜!」

などとすれ違う人々に言われる
アイスバーグが私を狙っているのは周知の事実だ

「違いますよ!
そんなじゃないです!」

と顔を赤らめながら首を振ると
頑張ってね!と返されるのだ
私もアイスバーグが好きで
両想いな2人に見え焦れったいのだろう

19時丁度にアイスバーグは現れた

「ンマー、アラタ。待たせたか?」

「いえ、今来たところです。」

ニコリと微笑めばアイスバーグもつられて微笑む

「ンマー、今日はいつもと少し雰囲気が違うな。
あー。いつものアラタもいいが。
今日のも・・・ンマーいいぞ。」

「あ、ありがとうございますっ」

顔赤らめ俯くと周りで見ていた人たちが野次を飛ばす

「アイスバーグさん。アラタったら
結構前に来てたんですよ!
この子ったらウキウキして可愛いったらないわ!」

「本当に!アラタ、よかったわね。」

この野次も計算のうちだ
こうやって周りからも固めていく

「もう、皆!やめてくださいっ!!」

しーっと口元に人差し指を持っていけば
バレてるぞー!と笑われる

「そろそろ、行くか?」

「はいっ」

そっと差し出された手を取ると
そのまま手を繋ぎながら歩き出した

◇◇◇◇◇

「今頃、アイスバーグとアラタは食事かしら」

わざわざ1番ドッグにカリファがきて呟く

「アラタに会うからって17時以降の仕事は
キャンセルなんてたまったもんじゃないわ」

「お前も大変だなっポー」

カリファの方も見ずに答えると溜息をつかれた

「ルッチ、本当にいいの?」

「別に構わないっポー」

「なんじゃ?!
アイスバーグとアラタが食事じゃと?!」

明るい声が聞こえてきて溜息をつく

「ダメじゃ、ソフィアはわしらのじゃ!」

ぎゃーぎゃー喚くカクに金槌を投げつけるが軽々と避ける

「のう!ルッチ!
お前はいいのか?」

さっきから構わないと言っているのに
しつこい二人に苛立ちが募る

「・・・さっさと仕事しろっポー」

カリファはもう1度大きな溜息をついて
ドックから出て行った


ルッチ×部下4
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