W7に来て2年
ルッチさん達は上手いこと職長になり
日々船を造ったりしている中で
私は下町のパン屋で働いている
素朴で純粋そうな女を演じている
ルッチさんには内緒だが
パン作りは思ったよりも楽しく
ここに来るまでに作れるようになっておけと
言われたレベルを遥かに超え
職人御用達になっている

アイスバーグを落すには
秘書のカリファが適任だったと思ったのだが
そうではないらしい
毎朝の日課となったアイスバーグの来店

「アラタ、ンマー、今日の夜にディナーでもどうだ?」

アイスバーグも常連になり少しづつ喋るようになり
食事にも行くようになった
きっと、今夜告白でもされるだろう

「わぁ!嬉しいです!
それじゃぁいつものブルーノのお店にしますか?」

「ンマー、その、なんだ。
今日は違う店を予約してある。
19時に迎えに来るから待っていてくれ。」

でしょうね。
と思いながらも瞳をキラキラさせて
わかりました!と微笑んだ

昼にはパンが全部売れるので昼過ぎには
店を終わることができる

片付けをしてお店とは別の自宅へと戻ると
部屋の中には勝手に入り込んでいる男の姿があった

「ルッチさん・・・。
サボりですか?」

「今は休憩中だ」

何故かW7ではハットリちゃんを
肩に乗せ腹話術で喋っているが
この部屋では普通に話す

ルッチさんの分のコーヒーも入れて
テーブルに持っていくと何も言わずに口をつける

きっとルッチさんは亭主関白なんだろうなーと思う

「アイスバーグに誘われたらしいな」

「あ。そうなんです。
カリファから聞きました?
今夜ディナーで告白されると思います。」

「そうか」

「上手くいったら褒めて下さいね!」

「・・・バカヤロウ」

何がバカヤロウなのかわからなく
首を傾げるとコーヒーカップを机に置いたルッチさんが
立ち上がり腕を組んで掴む

「わ、ちょっと!なんですか!」

「おれは今夜も徹夜で仕上げなきゃいけない仕事がある。」

ドサッと寝室のベッドへと押し倒される

「仮眠だ」

そう言いながらコーヒーの味がするキスをされる

「ん、もう!それな、隣の自分の部屋でねてくださいっ」

W7で住む部屋も家具も全てルッチさんが
用意してくれていて何故か隣のへやだった
自分の部屋があるのにだいたいは私の部屋にいる

バレてはいけないのに何故、
そんなことするのかわからない

腕の間から抜けてベッドから降りようとしたが
すぐに引き戻されルッチさんに組み敷かれる

「アラタ、お前も寝ろ」

そう言って口付けをされた
寝る気なんてないくせにと思いながらも
ルッチさんを受け入れた




ルッチ×部下3
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