【ルッチ×部下1】

与えられた私室のベッドの上で蹲っていると
ノックもなしにドアを開けられる
そんな事をするのはルッチさんぐらいだ

「おい、何してる。」

自分の部屋かのように入りベッドへと
近づいてくる足音がする

見ればわかるだろ!と怒鳴り散らしたいのを
堪えて顔を膝に埋めたまま答えない


毎度仕事の度にターゲットを
ルッチさんに取られてしまう
それで落ち込んでいるのに元凶が悪びれもな

「殺されたくなければ。あと3秒で答えろ」

何も答えない私にルッチさんは焦れ
よくこの台詞を吐く
でもそれは嘘ではなく
3秒以内に答えなければ本当に
指銃が繰り出されるので
壁には穴が沢山あるのだ

「貴方が私のターゲットを殺るからです。」

「それは、お前が遅いからだ。」

「っ、私には私のやり方があるんです!」

「ふん、色仕掛けでもしろと言われたか?
まだ男の経験もないお前に務まるわけがない。」

全くその通りだった

sexどころかキスもした事がない

言い返す言葉も見つからずに奥歯を噛み締める

立っていたルッチさんがベッドに座った

何故座ったんだ?と思った瞬間には上に乗られていた
吃驚しすぎて反応が遅れてしまった

「なん、ですか?」

「長官からの命令だ。
おれがお前に手ほどきをしてやる。
有り難く思え。」

唇をペロリと舐めるその仕草は
むせ返るほどの色気があった


何かを言う前に唇が塞がれる
経験したことの無い出来事に
どうすればいいかわからない
息を吸う暇も与えないぐらい深く口付けをされる

「舌を絡めろ」

言われるがままに震える舌先を
ルッチさんの舌へと絡めていった


そこからの記憶は曖昧で
sexの仕方を教えてもらうはずなのに
身体が裂けるぐらいの痛みと快楽に
ぐるぐると思考が溶けていった


◇◇◇

気を失ったアラタにシーツをかけ
破瓜の痛みに耐える姿を思い出し口角があがる

アラタが目を覚ます前に何か飲み物を用意しておこうと
部屋を出ると部屋の前は
不満な顔をしたカリファが立っていた

「なんだ」

「アラタの事命令なんてされてないくせに」

「ふん、使えるようにしろと部下に貰い受けた。」

「いきなり襲うとは思わなかったわ。」

「ふん」

まだ何か言いたげなカリファに背を向けた


ルッチ×部下1
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