マルコ×元カノ

「マルコ隊長、昨日ソフィと過ごしたんですって。
それでね・・・」

マルコと別れてから半年
嫌でも耳にする噂

ナース達が話すのを最後まで聞いた事はなかった
出てくるナースの名前はあたしとマルコが
付き合っていた時に
嫌がらせをしてきた子達ばかりで
半年で5人以上と一晩過ごしているらしい


そんな噂を気にしたくなくて
あたしはサッチと付き合った
サッチは手さえも握らず
ただただ側にいてくれるとても心地いい
それでもやはりぽっかりと
空いた気持ちは埋まらない


マルコの噂をききたくなくて
サッチのいる甲板へと出てきた
隣に並んで座っている

「なァ、アラタ。俺と真剣に付き合うか?」

いつものふざけた感じではない
真剣な声で言われて吃驚してサッチを見る
サッチとあたしは付き合ってるはずだ
マルコに振られて泣いているあたしを
慰めてくれた。
『俺と付き合っとけよ!
悪いようにはしねェから!』
こんな風に言ってくれたのに
付き合ってると思ってたのは
あたしだけだったのか

「なに?サッチと付き合ってるじゃん」

「じゃぁ、キスしてもいいか?」

「えっ、」

手が早いと思っていたサッチは
半年経っても手を出してこないので
少し驚いていたがあたしが
落ち着くまで待っていてくれたのか

まだマルコに気持ちがあるが
もう、忘れてサッチと真剣に向き合うのも
いいのかもしれない。


yesの代わりに目を閉じる


サッチの顔が近づいてくる気配がする
あと少しで触れるという所で
手で口を塞がれる


「サッチ、テメェ何してんだよい」


「お、マルコ。
遅いじゃねェか
俺は今真剣にアラタに
交際を申し込んでた所だ。
お前が半年もかかるから」

目を開けるとサッチから庇うように
マルコに抱きしめられている

「んんっ!!」


嫌だ、他の女を抱いたくせに
あたしに触れないでほしい
その思いでいっぱいになり
マルコの腕の中で暴れる

「アラタ
俺はお前が思ってるような事は
しちゃいねェよい
この半年ずっとお前だけを想ってた」

「んっ!」

嘘だ。嘘つき。

「サッチにお前と付き合うように
仕向けたのは俺だよい。
お前を守るためだ」

何?守る?

「ナースからの嫌がらせを
やめさせるために
お前から離れたし
お前に嫌がらせしてた奴らは
船から降ろしたよい」

そういえばマルコと一晩過ごした子達は
船から降りていっている

あたし、守られてたの?

抵抗しなくなったあたしを見て
マルコは口から手を離す
その代わりのように抱きしめられた

「その話わけわかんない」

サッチを見ると
やれやれと言うように
大袈裟に手を広げ首をふっていた

「じゃぁ、あとは2人でやってくれ」


2人にされまるこは話始める

嫌がらせを知ってあたしと別れたこと
ナース達を追い詰め船から降ろした事
自分から離れて男が近づかないように
サッチに守らせていたということ
それが付き合うという形なのは
知らなかったということ

あたしは知らないうちに
マルコに守られていたのだ

「なんで、1人で全部しちゃうの、
振られて、あたし凄く辛くて」

涙が頬を伝う

「悪かったよい・・・
もう離さないからねい」

「馬鹿マルコ!
はげ!パイナップル!」

暴言を吐くあたしを
よしよしと撫でてくれる
ずっと求めていたぬくもりだった



マルコ×元カノ
前 / 次
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -