マルコ×娼婦

「なァ、他の男にもこんなに
感じるのかよい?」

折角の2人きりのベッドの上なのに
無粋な事を言うマルコに苛立ってしまう

「・・・それ今言う事?」

まさにこれからマルコの男根を
受け入れようとしているのに
熱くなっていたものも冷めていく
マルコを押しのけこれ以上は
触らせまいとシーツにくるまる

マルコはあたしがこの店に連れてこられた
12歳の頃かれ気にかけてくれた人で
16歳になって初めてを買ってくれた人
それだけじゃなくあたしの初恋の人だ

幸い上玉として売れてくれているあたしに
乱暴するものや変な客はつかず
金がある海賊や海軍のお偉いさんが多い

「思ったよりアラタは
人気になっちまったからねい」

シーツにくるまるあたしを
子どもを相手にするように宥める
娼婦になって3年。
マルコさんと知り合って8年になるが
未だにこうやって子どもみたいの扱われる
それが相手にされていないようで
胸が締め付けられる

「機嫌悪くなってどうしたんだよい」

「馬鹿マルコ!折角2人きりなのにっ!
いつもいつも子ども扱いして!」

感情的になり少し声を荒らげてしまうと
シーツを無理やり剥ぎ取られ
押さえつけられる
苛立っていてもマルコの顔が
目と鼻の先にあれば
キスをしたくて目をつぶってしまう

分かっているかのように
深く口付けをされる

「子どもだと思ってたら抱かないよい」

「んっ、」

キスの合間に放たれることば

「それに客として来るのは
今日で終わりだからねい」


今日で終わり?


その言葉に目の前が真っ暗になる
どれだけ嫌でもマルコが来てくれると思って
頑張ってきたのに唯一の楽しみさえも
なくなってしまうのか

涙が頬をつたう

「おい、何泣いて、」

キスをやめて起き上がらされ向かい合う

「マルコ、もう会えないの・・・?」

「ちょっと落ち着けよい」

「あたし、マルコと会うことだけを楽しみに
この世界でも頑張ってくれた、
これから何を楽しみに生きていけっていうの?

もう、このまま殺して!!」

マルコの胸にすがり付いて泣く
最後なのに、こんな惨めな姿で
マルコの中に残ってしまう
それでも、忘れられないならいい

「言い方が悪かったねい・・・
やっと迎えられる準備ができたんだよい」

ギュッと抱きしめられる
吃驚して涙が止まる

「え、迎えるって・・・」

「アラタを迎えにきた。
船の上での生活のなるが
着いてきてくるかい?」

「あたしを、船に乗せてくれるの・・・?」

「あァ、親父の了承は貰ってる
遅くなって悪かったねい。
2年も働かす気なんてなかったんだが
交渉が上手くいかなくてよい。
辛い思いをさして悪かったよい」

「・・・あたし、」

「愛してるよい、お前を初めて見た時から
愛しちまったオレを笑ってくれよい」

先ほどとは違う温かい気持ちの
涙が頬を濡らす


「あたしも愛してる」

顎を掬い上げられ目が合うと
はにかんだように笑い合う

今までとは違う
欲望だけじゃないキスを
何度も交わした

マルコ×娼婦
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