気持ちのいい朝早くに
甲板に出るのは好きだ
風が気持ちいい

その甲板で見つけたのは
マルコとサッチ
駆け寄ってバフっとマルコに抱きつく

「マールコ!サッチ!おはよう!」

「おう!アラタおはようさん!」

「・・・アラタ、なんだよい」

サッチはいつも通りなのに
マルコはどこか素っ気ない返事

いつもなら笑顔を向けてくれるの
と首をかしげる

「ね、どうしたの?」

「何でもないよい」

「いやいや!何でもないわけないでしょ!」

マルコの周りを
右往左往してみるが
完全に無視をされている

「えー...どうしたの?」

マルコはあたしを見ようもせずに
船のヘリに頬杖をついている

そんなあたし達をみて
サッチはクスクスと笑っている

「アラタさーん!!!」

もう1度声をかけようとすると
新しく家族になった
クレオに呼ばれる
クレオは20になったばかりで
そこそこ腕も立つ
これからもっと強くなるであろう
期待の星だ

クレオの声を聞いてマルコは少し
体を動かしたように見えた

もちろんサッチとマルコの姿を見て
丁寧に挨拶をする

「アラタさん!
探しましたよ!
食堂行きませんか?」

わざわざ食堂に誘うために
探してくれ姉のように慕ってくれる弟分は
とても可愛い

「おはようクレオ。
わざわざ探しに来てくれたの?」

「はい!ご飯食べたら訓練に
付き合ってほしくて!」

「ふふ!可愛い奴め!
後で行くから先にいってて。」

くしゃくしゃとクレオの
頭を撫でると嬉しそうに微笑み
じゃあ後で!と言って食堂へとかけていった

一緒に行っても良かったが
不機嫌なマルコは置いていけない

マルコを見ると
眉間に皺を寄せている

「あいつは1回呼び出すかねい」

「え?礼儀正しいよ?」

「アラタ、わかってねェな!
マルコはヤキモチ妬いてんだよ!」

ついに堪えきれなくなったように
大笑いするサッチを
マルコは「うるせェよい!!」と
足蹴りする

「妬いてたの?
ないない!マルコ一筋なのに!」

あまり人前では出さないが
マルコと付き合ってもう何年も経つ
古株は知っているが
新しく家族になった者は
知らない者も多い

「アラタ...お前は
モテるって少しは自覚しろよい。」

「もう、何年経っても
妬いてくれるマルコ可愛すぎ!」

不機嫌な理由がわかり安堵して
しっかりと抱きつく

「可愛くねェよい!」

「あたしには可愛いの。
マルコだいすき」

ふぅーと溜息をつき
ギュッと抱き返してくれる

「オレも大好きだよい」

「ケッ、オレも早く彼女作ろ」

サッチは呆れたように笑う
ヤキモチを妬いて
マルコの不機嫌にいつも
付き合わされるサッチには
少し同情する

「アラタ〜」

また遠くから呼ぶ声
マルコの抱きしめる腕の
力が強まる

「もっと人前でイチャつこうかねい」

「もうっ」

笑いながら重なる唇
サッチの口笛を気にすることもなく
何度もキスをされる
このままじゃ終わらないと思い
やっと隙を見て腕から抜けた

「じゃ、また夜にね」

マルコに告げて名前を呼ばれた方へと
走っていった





「アラタは本当に自覚が足りねェよい」

「まぁ、アラタ可愛いもんな〜」

ふざけた事を抜かすサッチを睨みつける
新しく入った奴は大体がアラタを好きになる

誰にでも優しくて笑顔を絶やさないアラタは
誰から見ても癒されるのだ

「次はクレオをシメるかねい」

アラタと付き合ってるのは自分だと
訓練と称してアラタへの恋心を
幾つもへし折ってきた
アラタはそれを知る由もない

「おー怖っ!一番隊隊長はおっかねェな!」

台詞とは反対に
少しも怖がっていない
むしろ楽しんでいるサッチと共に
食堂へと向かった





あえて夢主の容姿書いてませんw
ご想像にお任せです!!


この身は君しか愛せない
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