「だーかーらー、朝はごはんだってば」

さっきから目をつり上げて同じ主張を繰り返すこいつは俺と同じ暗殺部隊の幹部であり、まあ…俺の彼女、でもあるわけだが。

普段はいささか気が強いがまあ素直なバカで、かわいいところも無くはない。ただひとつ、このことになると途端にかわいくなくなるんだが。

「何言ってんだぁ、朝はトーストに決まってんだろ」

「わかってない!なんにもわかってないよあんたはもう人の揚げ足ばっかりとってェェェ!」

「ゔぉぉぉぉい…なんかキャラ変わってんぞぉ」

まあ、たしかにジャッポーネであるこいつ的にはごはんがいいってのもわからなくはねえが、だったら自分の部屋で食えばいい話だ。こいつの行動はいまいち理解できねぇ。

「あーもうダメだ、やっぱりスックーはダメだよ、ごはんの素晴らしさがわからないなんて」

「じゃあてめえの部屋で食えばいい話じゃねえか、つーかわざわざ俺の部屋で食う意味がわからねぇ」

そう言うとこいつはナイフとフォークを投げつけて肩を震わせた。やべえ、言い過ぎたかぁ?

「だってスックーと一緒に食べたかったんだもん、スックーのばーかばーかドカス!」

涙を目にためて俺を睨みつけて、どっかのクソボスみたいなセリフを吐いて走っていったあいつが怒ると面倒なので、つーかまあ若干心配だしなぁ、とりあえずあいつを追いかけた。

しばらく探していると廊下を曲がったところでしゃがみこんでるバカを発見、とりあえず頭を撫でると顔をあげた。

「…その、さっきはよぉ、言い過ぎちまって…悪かったなぁ」

「じゃあさ、明日からはごはんにしてくれる?」

「あぁ、毎日って訳にはいかねえが、なるべくなぁ」

「いよっしゃあ!」

と叫ぶといきなり笑顔で立ち上がった。おい、さっきまでの涙はどこいったんだよ。ふと見ると隊服のポケットから目薬がのぞいていた。

「ゔぉぉぉぉい!嘘泣きかよ!」

「騙される方がわるいんだよ、バカアーロ!」

舌を出してまた走っていったあいつに、俺は一生かないそうにねぇ。


まあ結局、だいすきだってこと


「ねーボスーあのバカップルうざいんだけど」

「…かっ消す」

「大賛成ですー」










ニワサキさんへ!
キリリクありがとうございました!

100710 柚子





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