2 | ナノ






そして今、17の冬。








「どこ行くの?」
「合コン。」
「何、お前合コンなんか行くの?止めとけよ」
「ナミゾウが言っても説得力無いわよ、」



うちの高校にまで噂回ってくるんだから、と呆れたように笑う少女が居る。


17年を共に生きてきた少女、ナミ。




残念ながら高校だけは別で(俺がナミの通う高校の試験に落ちたのだけど)、ナミは県内でも「雰囲気が良い」と評判の共学に通っていて、俺はと言うと県内でも「だらし無い生徒が多い」と評判の男子校に通っていたりする。







「遊ばれるぞ?」
「逆よ、遊んであげるの。」
「ハハッ、怖ェ女だな」
「あんたこそ、この前駅で女の子泣かせてるの見ちゃった」
「“遊んであげた”だけだよ」
「‥‥‥サイテー。」



お前もな、と頭を小突けば、「私は冗談だもの」と頬を膨らませるナミ。

ナミは、俺が女の話をするのを嫌う。“その時の俺の表情が嫌いだ”と以前ハッキリと告げられたことがある。







「捨てられた女の子達に同情するわ。」
「元から拾ってもいねェけど。」
「いつか刺されるわよ、アンタ」


じゃあ行ってきます、ナミが玄関へと向かう。
無意識に着いて行って、玄関でのお見送り。


飲み過ぎんなよー、声をかけてから鍵を閉める。

ガチャリ。







先程までナミが居たソファーに座り、つい数分前の会話を思い出す。





いつもより低い、ナミの声。
軽蔑するかのような、視線。

こちらを見ようともしない、ナミの態度が嫌いだ。



だからナミの前ではなるべく、女の話などしたくないのに。








だってしょうがない、
ナミ以外など、どうでもいい。

命あるモノに限らずこの地球に存在する全てのモノ、
ナミが関わらない事柄など、興味の対象にすら成り得ない。








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