さあ、契りの言葉を | ナノ




「何しとんの、乱菊」

「あんたの考えてること、少しは解るかなって。」







さあ、契りの言葉を











一つの小さな布団の中、寄り添って眠るちっぽけな命が二つ。

少女は少年の腕を枕にして、少年の心臓辺りへと耳を寄せた。







「だけど、何もわかんない。」

「乱菊?」

「明日になったら、またアンタはどっかへ行っちゃうの?何をしに行くの、何日後に帰ってくるの、」





震える声がダイレクトに心臓に届き、心を揺らされる。






「、乱菊」



少年は少女の頭をぽん、と優しく撫でた。





「どしたん、怖い夢でも見よった?」


優しい声色に、少女が弱々しく首を振る。ああ、守りたいな、そう思う瞬間。







「 ギン、死なないで」

「死なへんよ」

「約束?」

「約束や。安心しぃ、乱菊との約束は死んでも破らん」

「言ってること、目茶苦茶。」




腕の中、脆く小さな存在は微かに笑った。ああ、愛しいな、もっと笑顔が見たいな、そう思う瞬間。









死なないで、 死なへんよ

行かないで、 ここに居る

抱きしめて、 離さへん

約束よ? 絶対や









「ギン、おやすみ」
「おやすみ、乱菊」


少年は少女をしっかりと抱きしめた。さして興味も無かった己の命が、掛け替えのない少女との約束の塊となった。











(キミが生きてる間だけ、ボクの命は輝ける)








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