ファミリー | ナノ



青い空。



白い雲。













「お願いだって〜。マジでナミちゃんのこと好きなんだよね〜」











目の前には知らない男。












【Family】













ナミは苛々していた。
それも全部、目の前にいる名前も知らないこの男が原因である。







「手、離してよ。」


「怒った顔も可愛いなぁ〜」





さっきからこんな調子でナミがいくら冷たく遇っても男はそんなナミの態度を楽しむようにニヤニヤしながらナミを見つめている。
腕を掴む力を緩める気配はない。





「そろそろ危ないわよ。アンタ。」

「え〜?なになに?本気で怒っちゃう?怖いなぁ〜」


「‥‥。」

「ね〜、そろそろ付き合ってくれる気にイっ!?「‥来た。」






男の額に何か硬い物体が飛んで来たのとナミが呟いたのはほぼ同時。


何が起きたのかわからず辺りを見回す男。
その男の足元に落ちているのは男の額にヒットしたであろう“鉛玉”。










「いってぇな!何だよコレ!」







「だから言ったのに。“そろそろ危ない”って。」














「あぁ!?お前可愛いからって調子乗るなよ!!!」



ガシっ








「おい、ナミ嫌がってんだろ。離せよ。」

「今すぐ離さないと8千人の俺の部下がお前の命を狙うことになるぜ。」



「っ!?」





ナミの腕を掴んでいる男の手を掴む黒髪の男、驚きで声も出ない様子の情けない男、そんな二人とはしっかり距離を置いて仁王立ちで凄む男、ナミにとってはもう見慣れてしまったこの光景。








「ルフィ!!‥と、ウソップ!」








「痛ぇ!離せよっ!!!何なんだお前等!」



「ナミの弟だっ!」








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