衝動 | ナノ

あー‥‥‥















好きだ。





















 【衝動】












ふとした時に思うんだ。




おれはすげぇ、ナミが好き。








それは例えばナミの笑顔を見た時だとか、ナミが元気無い時。

俺もナミと同じ顔になっちまう。




まだまだあるんだ、


海を見つめてるナミを観察してる時とか、全然ナミに会ってねぇ日に久しぶりにナミを見つけた時。



盗み食いに失敗してサンジに蹴られた後に怒りながらも呆れながらも頭を撫でてくれる時。



サンジにもっかい蹴ってもらおうかな、なんて考える。








そして今。



ナミが他の男と楽しそうにしてたりするから、楽しいはずの釣りもつまんねぇ。


ナミにもやきもち妬いてほしいから、わざとウソップと大きい声で笑い合ったりしてみたけど。

ナミは全然こっち向かねぇし、サンジやゾロに向けてる笑顔がかわいいから、


やっぱりおれは楽しくない。




「ルフィどうしたの?
そんなに頬膨らませて。」

「‥‥‥。」

「‥?夕飯までには機嫌直しときなさいよー」

「‥‥‥ん。」






せっかくナミがおれの所に来てくれたのに、素っ気ない言葉しか返せないおれはいやな感じがする。




でもおれは、これがやきもちってことをちゃんと知ってるから。


思うんだ。

つまりそれだけ、ナミが好き。
















おれがこんなに想ってること、ナミは何も知らない。

ナミは失敬な奴だから、おれのこといつも子供って言う。





おれにとっての初恋。
初めての感情。







何もかも初めてで、どうしたらいいのか全くわかんねぇ。








そんなことばっか考えてたらナミを見つけた。



「ナミ!」



ミカン畑で動く、ミカンより大きなオレンジ色。





「ルフィ!どうしたの?
ミカンならあげないわよ」

「ナミが見えたから来たんだ!しししっ!」


だって、近くにいたかったから。







「‥あんたって本当、何も考えてなさそうね」



「‥‥?」



「ま、いいわ!ここにいるなら大人しくしててよ!」


「おう!」





そう言ってナミはまたミカンの収穫作業。


ナミの側にいれて嬉しいおれは「しししっ」って笑いながらミカンの木陰に座り込んでナミの観察。






んん、やっぱり。





好きだな、ナミが。








すごく。







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