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男の名前は市丸ギン。






本日、世界で一番大切なヒトを迎えにきました。















***












人間は、死んだら天国か地獄か、成仏できずに幽霊か。

三択だとばかり思っていたが、どうやらもう一つの選択肢があったらしい。


とは言っても、選択できる者はほんの一握り。生まれ持った才能ある者のみ、死神としての教育を受けることができるという。






腰に指している刀は“斬魄刀”、黒い着物は“死覇装”。
それに加えて、とてつもない存在感。死神の世界では、これを“霊圧”と呼ぶらしい。


これらが、死神である証。







「ふーん、死神にも学校なんてあるのねぇ」

「何や、ボクえらい才能あったみたいでなァ、一年で卒業してしもうたわ」

「一年て、凄っ‥」





ボク天才やから、とあの日と変わらぬ笑顔が咲く。

変わったのは身長と、随分と色気を含むようになった声。


( やっぱり、ギンだわ。)






夢だ幻だと言いながらも、乱菊はギンを死神だと認めてしまう。




もうこの際、ギンが死神であろうと幽霊であろうと乱菊にとってはどうでもいいこと。

今目の前に“ギン”がいる。
これは間違いなく現実なのだ。






何だかんだ言いつつも、かつての幼馴染との再会が嬉しくないはずなどない。



ましてや、もう二度と会えないと思っていた、何度も会いたいと願った男。





今この出来事を現実だと認めた途端に、芽生えたのは嬉しさだった。











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