一挙一動毒されて | ナノ






「恋人が欲しい。」










その一言、

破壊力はミサイルの如し。























一挙一動毒されて

















『えー、皆さん静粛にー静粛にー。』



場所はサウザント・サニー号。
いつもは活気溢れるこの船も、今は密集する男共の熱苦しさと変な緊張感とに包まれていた。




ナミの発言から、計画が実行されるまでは早かった。早過ぎた。一日と掛からなかった。



我こそナミの恋人に!と集まった海賊、軽く200名。(中には海軍の軍服を着た奴なんかも居たかもしれない)
今この船に立っている者、麦わらの一味は勿論として、その他4名。

























「ナミ、大好きだ!おれとケッコンしろ!」

「“結婚”って漢字で言えるようになってから出直してくれる?」





“先手必勝”。そんな言葉は何処へやら。凶悪たる顔ぶれに臆することなく、いつものように笑顔で告げた船長は、これまたいつものようにニッコリと笑顔で返された。









「君は僕の女神‥、いや、女神も嫉妬するほどの美しさを持つ貴女は何て罪深い女性(ヒト)なんだ!神までもが君に嫉妬し、神は君に試練を与えた‥だけど大丈夫だよ、君を守る騎士(ナイト)は「長い。意味分からない。聞き飽きた。」





何処から現れたのか、奴曰くラブハリケーンを発生させやって来たのはラブコック。これまたいつもの光景で、ナミが冷たくあしらうのもいつものこと。

「残念だったな、」

それに俺が、心底“ざまあみろ”という顔をして憐れみ笑うのも、いつものこと。










次いで、ナミの前に歩みを進めるのは、最近何かとナミに絡みたがりな“死の外科医”。


「足の爪から髪の毛。お前の身体を流れる血液、内臓。お前の全てを俺のモノにしたい。」
「気色悪い、」



ナミの頬に慣れたように手を伸ばし、今にもキスしそうなその雰囲気に、こいつが一番厄介なライバルになるだろうと悟る。
こいつはアレだ、そう、アレ。なんか、色々アブナイ気がする。







「俺の船に乗れよ、この俺が誘ってるんだぜ?」
「金属だけじゃなくて、お宝引っ付けれるようになったら考えてあげてもいいわ。」



後日、キッド海賊団から『頭がおかしな練習を始めた!』と連絡が入るのは、まだ先の話。






「ナミ、お前の部屋はもう用意してあるよい」
「あとはナミが“白ひげ”に来るだけだな!」
「いや、私は“麦わ「ベッドはシングルなんだけど、よくよく考えたらダブルの方が良かったかよい?」「何でだよ、シングルの方がナミとくっついて寝れんだろ」
「あの、だからね、私は「これだからエースは、“まだまだ”なんだよい。やっぱり、ヤるときなんかは「はい、ストップ!何か違う!何かもう、色々違う!根本的に間違ってて、何かもう救いようない!!」





天下の“白ひげ海賊団”。
さすがは一番隊隊長と、二番隊隊長と言うべきか。唯一ナミが押されてる。









ナミは今まで全員を残酷なまでに斬り捨ててきた訳で、残るは俺しか居ない訳で、まさか俺の為に今まで奴等を断ってきたんじゃないか、なんて期待も生まれる訳で。

んだよ、本当、素直じゃねェな。
なんて考えたら目の前でツンとした態度をとっているこの女が堪らなく可愛く見える訳で。



らしくなく赤くなる頬。照れを隠すように頭を掻いて、ナミに告げる。



「ナミ、、その、あのよ、待たせて悪かったな、」

「は?」

「だからよ、その、お前の恋人は、俺が「嫌よ、あんたみたいな迷子の世話なんてする気ないもの」





「フッ」ざまあみろ。
背後でクソコックの声が聞こえた気がした。
















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