生きる意味考えた | ナノ




例えば嬉しい時、

例えば悲しい時。




病める時、

健やかなる時も。






欲を言えば、

命尽きるその時まで。





















生きる意味考えた
















何度だって探す正答と、その度に辿り着く迷答。


そして何度だって思い知る、たった一人の大きさを。








「ありがとな、エース!」

「なぁに、気にすんな」






ぎゅうっと音が聞こえそうな程、力強く、勢い良く抱き付いて来るのは紛れもなく“弟”で。

それに慌てふためく様子もなく、慣れた手付きでぎゅっと程良い力で握り返し、目の前にある形の良い額に唇を寄せるのは紛れもなく“兄”で。




度の越えたスキンシップ、兄弟としての“ソレ”。

大好きな兄からのソレを、今年で16になる二つ年下の弟、ルフィは何ら疑うことなく受け入れる。




愛しくて愛しくて、

大切で大切で。














兄弟二人で生きてきた自分達にとって、いつだってお互いが“特別”だった。
いつだってお互いが“一番”で、それは自分よりもお互いを優先するほど。



ルフィの為なら命だって惜しくはない。きっとルフィも、そう思っているのだろう。

これは自惚れではなく、確信。
それだけの信頼感が、俺達にはあるのだと。








「エース、くすぐってぇ!」

「ん、あぁ、悪ぃ」



きゃははと、無邪気に笑う弟を、心の底から愛しいと思う。

始まりはいつだったか、そんなことはもう思い出せないけど。こんな可愛い弟を愛するなと言う方が無茶な話。
そう、どうしても理由を付けるとするならば、『当たり前』。
そんな単純な一言で片付けられるほど、日常的で異常な、この感情。






ぎゅううっと締まるルフィの腕に、自分の腕の中に収まるルフィの体温に、己の生きる意味を見出すのは何度目になるだろう。

無鉄砲で素直で純粋で、好奇心旺盛で怖いモノ知らずで。それゆえいつも危険な目に遭うことの多いこの手のかかる弟を、、


































ちゅ、ちゅ、と額に、頬に。


「エース〜」
「ん?」
「ししっ、呼んだだけだ!」


嬉しそうな、間延びした声で名前を呼ばれ、その眩しい笑顔に境界線が揺れる。

唇に触れたいと願っては、ギリギリで踏みとどまる。


ルフィの頭に置いた手で、邪念をぎゅっと握り潰して、ぽんぽんと頭を撫でる。




何故だかルフィは何かを我慢しているような苦しげな笑顔で俺を見て、きっと俺も同じような顔でルフィを見ているに違いない。




お互いが、きっと分かってる。













『限界だ』なんて、当の昔に知れている。






それでもお互い、口には出さぬ、その想い。

いや、弟に至っては、自分の気持ちすら上手く理解できていないのかもしれない。






気まずい空気が二人を包む。



愛しさが、安心感が、何度だって境界線を揺らす。










“もしも拒絶されたら”


ギリギリで踏み止まるのは、有り得もしない負の妄想。


そんなことは有り得ないと、確信は持てるのに。


気を抜けば頬へと伸びそうになる自身の手にぎゅっ、と力を込めた。

今日も選んだのは、兄弟という選択肢。












「ぶは、ルフィ、すげぇ間抜け面だぞ!」

「ンな!?」

「いやー、なかなかの傑作だったぞルフィ」


「むぅう、失敬だぞエース!」





頬を膨らませポカポカと叩いてくる弟に、豪快に笑って。

一瞬だけ見えた不満気な顔には気付かなかったフリをして。














次にその表情に気付く時。

その時が、きっと






本当の限界を迎える時 。











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溢れ出る兄弟愛ゆえ、ついに手を出してしまいました←

BL要素を書いたのは初めてですが、イチャラブは書けなかった><
どうしても悲恋チックになってしまいます。

やっぱり原作の兄弟っぷりが大好きすぎるせいか、唇へのキスなどはちょっとした抵抗が(´;ω;`)

片思いではなく、エース→←ルフィです。




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