7 | ナノ








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頭が真っ白になるって、きっとこういうこと。






















皆が思い思いに過ごす中、後甲板に向かったことに特に理由なんて無くて。

ただ、なんとなく。本当に意味なんてなかった。




今思えば、これが警告、忠告なのかもしれない。神様なんて信じてないけど、それでも私は神様に嫌われているんじゃないかと思ってしまう程のタイミングの良さで。




アイツの思いを知って、己の間違いに気付けって?








後甲板から聞こえるルフィとウソップの会話に、世界が色を失うような感覚。




















『ナミを仲間にしたことから、間違いだったのかもしれねぇ』













“突き落とされた”

まさにそんな感じ。



ウソップが何やら怒っている声が聞こえる。空ってこんなに青かったっけ?波が揺れて、鳥が飛んで、世界はいつもと変わらない。







そんな変わらない世界で、確実に変わったものが一つ。




気付いてしまった。

否、気付かないフリをしていた。現実はいつも、冷酷で残酷すぎるから。認めたくなかった。認めてしまえば気持ちはどんどん弱くなる。




本人の口から聞いてしまえば、私はこれからどんな理由を考えて自分自身に強がればいいのだろう。










この船の船長は。




“航海士”としての私を大事に仲間と言ってくれても、“ナミ”としての私のことは嫌いなのだと。







そんな現実を、どうして受け止めることができるだろう。









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