少しの秘めごと1 | ナノ








星達が瞬く夜、






今宵も見慣れた風景がこの船には在った。













“ゾロ、付き合ってよ”


夕食も終わり各自が自由に過ごす中、あいつは俺の元へ来てそう言った。



勿論この女の“付き合って”という台詞は恋人になってというような甘い意味では無く、ただ単に“晩酌の相手をしろ”との意味。







何を今更。

この船では一、ニを争う酒豪の俺達が夜中にキッチンで遭遇する事は決して珍しい事では無く、むしろ遭わない日の方が少ないように思う。

いや、実際少ないのだ。遥かに。



つまり何が言いたいかと言えば、わざわざ前もって約束なんか取り付ける必要なんか無いということ。



まぁ、そりゃあたまには飲む気になれずそのまま眠りたい日もあるが、それでも俺は必ずキッチンに足を向ける。

“トレーニング後の水を飲む為”という適当な理由を作っては、キッチンにあいつがいないか確認するのだ。



気まぐれなあいつは、たまにそのままキッチンで寝たりもするから。
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