それだけで、僕は〜 | ナノ






ハロー、ハロー、


記憶の中の僕達へ。








サンキュー、


グッバイ.フォーエバー











それだけで、僕はまだ生きていける











なかなか美味しい菓子を貰った。

一口食べて『乱菊の好きそうな味やなァ』と考える。




頭に浮かぶはあの笑顔。

「美味しい」と、「ありがとう」。




大丈夫、ボクは今でもハッキリと思い出せる。












**












美しい花を見つけた。

あまり見かけることのない可愛らしい花弁を見て『乱菊にも見せてやりたいわァ、』と考える。



頭に浮かぶは幼き日の光景。

初めて目にする全てのモノに興味津々といったあの子の瞳。

「ねぇねぇギン!これは何?」
「折り紙言うてな、こないして遊ぶんよ」
「すっごい!ギン物知り!」




キラキラした笑顔。

大丈夫、今でも昨日のことかのように覚えてる。














***













肌寒い夜、想うのは当然のように君のこと。



「乱菊、寒ない?」
「、平気」
「こないに手ぇ冷たくして、嘘言ったらアカンよ」



意地っ張りな可愛いあの子。

甘えることが苦手な彼女と、甘やかしたい僕。




冷え切った手を取り、ハァと息を吹きかける。
多少驚いた彼女には気付かないフリ、手を離す気はなかった。


「ぽかぽかしてくるやろ?」
「ん、 ありがとう」




ぶっきらぼうな言い種は、照れてはにかんでる証。


「ギンは?」
「ん?」
「ギンは、寒くない?」
「乱菊と居ったら、寒ないよ」








優しさ、愛しさ、温かさ。

君から貰った全てのモノを、大丈夫、いつまでも覚えてる。





ちくん、


君を思い出す度に感じる痛みも、きっとずっと覚えてる。









(この痛みすら、愛おしい)






.
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -